レポート
【FORUM PRESSレポーター】「茂木大輔と宮本益光の生で聴く“のだめカンタービレ”の音楽会」
FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年5月8日(日)に開催された『のだめ音楽会』のレポートです。
Report147 魔笛の魔法にかけられて 野口 颯一朗
のだめ音楽会10周年を記念して、春日井で3公演連続で開催されたコンサートも今回で最終回。指揮者の茂木さんが今まで温めてきたオペラ『魔笛』の企画に、オペラ歌手の宮本益光さんが構成・解説というまさに最強のコンビが生み出した素晴らしい公演でした。
まず、色鮮やかなパパゲーノの衣装を着た宮本さんが客席から「オイラは鳥刺し」を歌いながら登場。ドイツ語の歌詞と日本語訳はのだめ音楽会お得意のスクリーン投影で見ることができ、歌の合間には宮本さんによる解説もあるので、まったくオペラがわからない僕でも物語に入り込むことができました。もちろん演出だけではなく歌も素晴らしく、特にこの『魔笛』の中でも有名な『夜の女王のアリア』の高音の迫力には鳥肌が立ちました。
茂木さんと宮本さんの音楽の魔法にかけられたあっという間の2時間半。僕が今まで抱いていた、オペラって少し難しいかも…という先入観が吹き飛んだ楽しいコンサートでした。またこのようなオペラの企画に期待です!
Report148 「オペラを一緒に楽しもう!」 かつみ I
愛知を代表する3つのオーケストラが演奏した3連続公演の最終回を飾ったのは、名古屋フィルハーモニー交響楽団です。プログラムはオペラ『魔笛』。パパゲーノ役を演じたオペラ歌手・宮本益光さんは、漫画家・二ノ宮知子先生に『のだめカンタービレ番外編』の漫画を描く段階から相談を受けていたそうです。今回の舞台構成も担当され、「やっと今日にこぎつけた」と言われるほど。黄色い鳥がちょこんとのった帽子を被り、客席中央から歌いながらの登場です。パミーナ姫との二重唱は低いバリトンと高いソプラノの声が美しく調和し、「♪人は神の高みにまで至る」という歌詞そのままに、崇高に響いてきました。宮本氏が「モーツァルトの力を借りながら一緒に楽しもう」と言われた通り、可愛らしい鈴の音に合わせて観ている私達も一緒になって体操をしたり、指揮者の茂木大輔氏を「モーギー!」と皆で呼んだり。客席全体がメルヘンの世界にぐっと引き込まれていました。
Report149 「『のだめ音楽会』こそが楽しい魔法の笛」 のぐちりえ
「ソラシドレ♪」鳥の鳴き声を模したパンフルートの明るく軽やかな音が響き、そして軽快なトークで会場が沸く。
モーツァルトが当時“貴族”ではなく“民衆”に楽しんで観てもらうために作ったとされるオペラ『魔笛』。今回の『のだめ音楽会』はその『魔笛』を、黒い薔薇歌劇団主宰のオペラ歌手・宮本益光さんがカラフルな『鳥刺しのパパゲーノ』に扮し、ダイジェストで解説してくださいました。
これがおやじギャグ入りで、面白いし楽しい。きっちり解説し、他の歌手の方と主な曲を力強く歌いつつも、『魔法の鈴』の音(チェレスタ)に合わせて、観客と一緒にメタボ解消体操をしたりと、まさに“民衆”のための音楽会という感じでした。
ダイジェストでこれだけ面白いのですから、どうせなら全編観たい!と思うのは自然の流れ。是非とも春日井で黒い薔薇歌劇団による『魔笛』全幕を実現していただきたいです!
Report150 「クラシック音楽の魔法にかかった私」 與後玲子
今回の公演は春日井での「のだめ音楽会10周年記念3大オケ公演」のトリとして名フィルの生演奏で開催されました。前半は「アンコールオペラ編」でモーツァルト歌劇『魔笛』。後半はベートーヴェン『交響曲第7番イ長調作品92』。『魔笛』は、のだめに登場する白い薔薇歌劇団を模して、黒い薔薇歌劇団を結成したオペラ歌手の宮本益光氏自身が監修、出演された本当に楽しいオペラでした。私にとってクラシック音楽は、高尚でハードルが高いものでした。しかし、のだめが今も愛され続けているのは、クラッシック音楽という文化が、漫画の力を借りて現代にわかりやすく、楽しく表現されているから?音楽は、人の生活、心の葛藤等から生まれ、全身全霊を込めて演奏されます。だからこそ、人は音楽により救われ癒され感動するのだと思います。私自身、後半で演奏された、『交響曲第7番』から繰り出されるリズミカルかつ熱狂的なフィナーレに、心がふるえ浄化されたような気がいたしました。
Report151 満員御礼の『のだめ』フィナーレ!! 前島恭子
なんという贅沢! モーツァルトの歌劇『魔笛』(黒い薔薇バージョン)と、ベートーヴェン『交響曲第7番』全曲という大作2本立ての演奏会なんて……!! 2006年1月29日が初演の『のだめカンタービレの音楽会』。そこから始まった10年の集大成が、この極めつけの贅沢になったのだと感動しました。
『魔笛』―歌手の皆さんの声ののびやかで素晴らしかったこと! そして“魔法の鈴”のダンスのコミカルで可愛かったこと! 原作コミックの映像も楽しくて、「歌劇ってちょっとハードルが高いかも……」と思っていたのが「この『魔笛』、一度、全幕とおして観てみたい」に変わってしまいました。
『ベト7』は1時間もかかる大曲なのに、演奏と、タイミングよくはさまれる映像や説明のおかげもあって、長さをまったく感じませんでした。これだけ聴かせる茂木さんも名古屋フィルハーモニー交響楽団もスゴい! そしてそれを支えるスタッフもスゴい!
いつか“同窓会バージョン”(?)でまたお会いできたらいいな!