レポート
【FORUM PRESSレポーター】「伝統芸能の魅力発見!~にっぽんの楽器・弾き物編~」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2018年9月29日(土)に開催された、
【伝統芸能の魅力発見!~にっぽんの楽器・弾き物編~】を、6人がレポート!
FORUM PRESSvol.89にもレポートを掲載しています。Report332はコチラからPDFでお読みいただけます。
Report333【日本の弦楽器にとことん浸れる2時間】 山田真穂
女優の南野陽子さんと元アナウンサーの葛西聖司さんという豪華な司会で行われた「伝統芸能の魅力発見!」。第1弾の今回は、にっぽんの楽器「弾き物」をテーマに様々な楽器の演奏が繰り広げられました。前半は箏と琵琶、後半は名古屋友禅と有松絞の着物の紹介、春日井の民話朗読、胡弓、三味線、そして最後は長唄で締めくくられました。トークや演出も素晴らしく、盛りだくさんのプログラムでした。特に私の印象に残ったのが箏と三味線です。箏は一般的に使われる十三弦だけでなく、二十五弦のものも披露され、バッハの『無伴奏チェロ組曲』を聴くことができました。和の楽器で西洋楽曲を演奏する独特なスタイルが、原曲とはまた違った感じで新鮮でした。三味線は大きな切れの良い音が会場に響き渡り、とても迫力があり細かい動きを弾きこなしていてかっこ良かったです。
日本の弦楽器に触れる機会は普段あまりないですが、今回の公演でとても興味を惹かれました。第2弾も期待しています。
Report334【聴覚・視覚共に大満足!】 與後玲子
「伝統芸能の魅力発見!」シリーズ第1弾は、日本の楽器の「弾き物編」でした。どの奏者も若くエネルギッシュで“伝統+新しい試み”のチャレンジが感じられました。例えば箏は十三弦が一般的ですが、西洋楽曲の七音階を奏でることができる二十五弦で、バッハの『無伴奏チェロ組曲第一番~プレリュード~』。胡弓はなんとピアノとのセッションで、木場大輔さん作曲の『焔』を演奏。
最も刺激的だったのは薩摩琵琶の平家物語の『扇の的』でした。弦を撥で弾いたり、叩いたり、引っ掛けたり、撫で付けたりとても激しい演奏でした。奏者の長須与佳さんは小柄にも関わらず語りが力強く、私は金縛りにあったように微動だにせず聴き入りました。また、司会の南野陽子さんによる豪華な名古屋友禅と有松絞りの振袖の紹介があり、刺激的な音楽に興奮した聴覚の神経が、美しい着物による視覚で癒やされました。さらに春日井縁の民話『十五の森』の朗読には思わず涙でした。
Report335【伝統芸能をうつくしむ】 こじまみつこ
かすがい市民文化財団プロデュース『伝統芸能の魅力発見!』は箏の演奏から始まりました。二十五弦の箏を身を乗り出して弾き、『春の海』は尺八と箏が寄り添うように競い合うように波を奏でました。薩摩琵琶は平家物語より『扇の的』。射手の那須与一が「的を外しては生きてゆけない」と心乱れ、荒れる波に「しずまれ」と祈る。ざわつく心を撥でかき鳴らし、矢の飛ぶ音は撥を弾き絞る。与一の心を琵琶と語りで切々と歌い上げる姿は、鬼気迫るものがありました。どこからか胡弓の音が流れ、そしてその音色は、一瞬にして越中おわらの世界へ。ピアノと共演『こきりこ節』は、五箇山の里が偲ばれます。津軽三味線は勇壮な弾きで、長唄とお囃子の『鏡獅子』は華麗な舞で舞台を飾りました。
司会の葛西さんと南野さんの楽しい解説。南野さんの春日井の民話の朗読。盛りだくさんの内容に瞬く間に時間が過ぎていきました。今回の奏者は皆さん30歳前後とか。これからの日本の伝統芸能が期待されます。
Report336【温故知新へのいざない】中林由紀江
秋の気配がやっと訪れたた9月の終わりに、「日本の音楽のヒミツ」を探しに春日井市民会館へでかけました。日本古来の楽器は基本的に全て自然素材でできているので、生き物と言っても過言ではないとのことです。その楽器を演奏するのは30歳前後の若者たち。箏は本来は十三弦ですが、二十五弦のもので奏でられた曲はバッハ。和装柄のドレスで演奏された和洋折衷の妙に驚きました。圧巻だったのは薩摩琵琶の語りと演奏。最初の一音で、平家物語の世界へと聴衆は引き込まれました。初めて聴いた琵琶の音の迫力と奏者1人で物語を深く語る素晴らしさに感動しました。司会の南野陽子さんが「有松絞りと名古屋友禅」を紹介されたご当地着物コーナーでは、それぞれの着物をお召しのモデルの艶やかさに目をひかれました。この「伝統芸能の魅力発見シリーズ」はこれからも続くとのことですので、次回がとても楽しみです。平成生まれの若者にも是非聴いてもらいたいです。
Report337【ギュッと凝縮。和楽器の魅力】 紀瑠美
葛西聖司さんと南野陽子さんの司会で、箏、琵琶、胡弓、三味線の若手実力派が順に披露。
箏の内藤美和さんは一般的な十三弦の箏と27年前に作られた二十五弦の箏を紹介。葛西さんが、箏を弾いているハニワがあると言うと、孝謙天皇を演じた時に箏の演奏を聴くシーンがあったと南野さん。引き出しの多い2人ならではのトークで、楽器や奏者の魅力を引き出していきます。
2部の幕開けには愛知の着物が飾られ、客席からは「わぁー」と感歎の声。南野さんの着物姿も美しかったです。南野さんの春日井の民話朗読も素晴らしく、お囃子の演奏も効果的でした。
胡弓は三弦と奏者の木場大輔さんが作った四弦を披露、ピアノとシンセサイザーを融合させたオリジナル曲には客席から大きな拍手。春日井広報大使の馬場淳史さんの津軽三味線と、芳村伊十冶郎さんの長唄三味線の比較も興味深かったです。最後は長唄とお囃子の演奏で、日本舞踊『鏡獅子』。トークも演奏も聴きどころ満載でした。
Report338【ビバ! 日本伝統芸能!】マエジマキョウコ
「気づき」がいっぱいありました!もともと十三弦の箏が、最近は二十五弦などの多弦箏があること、薩摩琵琶はことに力強い演奏と語りが特徴であること、胡弓は日本でただひとつの弓で弦を擦る楽器であること、津軽三味線と長唄三味線の違いetc……。和楽器のことなのに知らないことが多くて驚きました。曲も『春の海』『こきりこ節』のような昔からのものだけでなく、J.S.バッハの『無伴奏チェロ組曲第1番~プレリュード~』や若手演奏家のオリジナル曲『焔(ほむら)』など多様性がひろがっているのですね。感動しました。
南野陽子さんが紹介する有松絞りや名古屋友禅の着物も素晴らしかった!和服って身近にあっても、ホント、素敵さに気付かないものなのですね。
いままではなんとなくハードルが高くてじっくりと聴く機会がない邦楽でしたが、このコンサートでその魅力にふれることができました。今回は「にっぽんの楽器・弾き物編」。続編が楽しみです。