レポート
ホロヴィッツの幻影
ウラディミール・ホロヴィッツというピアニストをご存じでしょうか?ウクライナに生まれ、アメリカで活躍(1989年没)。ミスタッチが非常に少なく、指を伸ばして演奏する独特のスタイルで知られます。少しでもピアノを嗜んだことがあれば、彼の演奏法に驚愕の目を向けることでしょう。現代でも彼以上の技巧を持つピアニストはいないとも言われ、慕う人は後を絶ちません。
お隣の国、韓国にもファンがいます。5/19(日)に文化フォーラム春日井で上映する日曜シネマ「私のちいさなピアニスト」の登場人物・ピアノ教師のジスは、ホロヴィッツの肖像画を部屋に飾るほどです。物語は、コミカルで涙を誘う韓国映画ならではの楽しい展開に満ち満ちています。圧巻はラストのラフマニノフ『ピアノ協奏曲第二番』。韓国人ピアニスト、ユリウス・キムが出演し、男性ならではの力強い響きで、聴く者を熱狂の渦に誘い込みます。ラフマニノフの演奏を得意としたホロヴィッツの魂に、最後まで触れられる映画です。
[2013/05/15|投稿者:A.Y.]