レポート
【FORUM PRESSレポーター】ギャラリーライブ vol.3 柳下美恵のピアノ de シネマ
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、コロナ禍の影響で約半年延期され、2021年7月17日(土)に振替公演となった
ギャラリーライブ vol.3 柳下美恵のピアノ de シネマをレポート!
Report425【声はなくとも会話はできる】宮川あけみ
照明がだんだんと暗くなっていくなかで始まった「無声」映画。上映されたのは、世界三大喜劇王のひとり、バスター・キートンの2作品『探偵学入門』と『文化生活一週間』です。どちらも、ハラハラドキドキのアクションと、「えっ、どうなっているの?」と思わせる撮影技術が駆使されています。約100年前の作品ですが、古さを感じさせないおもしろいアイデアが満載。コロナ禍でマスクをしてなければ、会場は爆笑の渦だったでしょう。柳下美恵さんのピアノ即興演奏が無声の場面を盛り上げ、登場人物の心情、表情、しぐさに反応して変化する曲は、観客の心をグッとつかんで離しません。
『文化生活一週間』では、主人公夫婦の目で交わす台詞が聞こえるようでした。声を出しての会話に気を使う昨今、この映画を見て、目と目で通じ合う大切さを感じました。全身で会話するといえば大げさですが、キートンを見ていたら、「マスクなんてへっちゃら」と思えてきますよ。
Report426【古き良き映画の今風楽しみ方】みと満寿美
サイレント映画?さらにピアノの生演奏が付くと聞いて興味半分、期待半分でした。バスター・キートンの映画は初めてでしたが、いきなり、ビックリ!約100年前の映画で、CGもないはずなのに、「どうやって撮ったの?」の連続です。「探偵学入門」で、追っ手から逃げる主人公が走行中のバイクから放り出され、次の瞬間、なんと建物の中へ??コメディだけど、「えっ?すごいっ!」と、笑いより先に驚きでした。
また、柳下さんのピアノ演奏がとても効果的に、場面の雰囲気を後押ししてくれます。「何か大変なことが起こった!」とか、怪我をしても気づかずに演技を続けたキートンの体を張った演技も、重いものではなく、「まあ大変」と軽妙に見せてくれるのです。柳下さんが本当に、キートンの映画がお好きで、この映画をベストに見せようとする心意気をピアノの音色から感じました。映画の後には、本編中のトリックの解説もあり、とても充実した時間でした。