【作品紹介コラム】
秘書になるはずが、いつの間にか、スポ根に！
1950年代、フランス女性たちの憧れの職業は“秘書”でした。田舎暮らしのローズは、都会で素敵な仕事に就きたいと思い、保険会社の秘書の面接を受けます。しかし、経営者のルイから言い渡されたのは不採用。その時、突然ローズは指一本だけで、タイプライターを高速で打ってみせたのです。度肝を抜かれたルイはローズを採用。『タイプ早打ち選手権』に出場させるべく、特訓を開始します。
「目指すは世界一！」と、鬼コーチと化してしまったルイ。しかし、その厳しさの後に見せる何気ない優しさや、ハード・トレーニング後のハンド・マッサージ…。女性なら思わずクラリとしてしまう、“恋に落ちるツボ”をついてきます。もちろんローズも例外ではなく、ルイに惹かれてゆくのですが… …。さすが愛の国・フランス。二人のラブ・シーンは、お国柄を表すように、大人な雰囲気が充満していて官能的です！
しかし、見どころは、やはりタイプライターの競技シーン。なんと実話に基づいているというから驚きです。世界大会の場面は、まるでスポーツ観戦をしているかの如き興奮の連続で、アドレナリン大放出！「タイプライターが、こんなにもスポ根になるなんて！」という新鮮な驚きと、見終わった後の爽快感がたまらない映画です。（FORUM PRESS vol.69）