コラム

「昼コン・夜コン」ついに300回へ 

2025/04/17
プロデューサー=にしの

かすがい市民文化財団 音楽プロデューサーのにしのです。

昨日(これを書いているの4/13時点)は、2025年度初の文化フォーラム春日井・交流アトリウム ロビーコンサート、通称「昼コン・夜コン」でした。土曜14時開演と金曜19時の2種類があり、8月を除く4月から12月の間に合計11回をほぼ交互に開催しています。

2004年にこの企画を始めた当初、おそらく最初はこんなに長く続くとも思わず「昼間にやるから昼コン」くらいのつもりの軽いネーミングだったのでしょう。それがついに次回4/18の「夜コン」で300回に到達。昨日も300名を超えるお客様にご来場いただき、とても暖かい雰囲気の中で生演奏のクラシックをお楽しみいただきました。

 

昨日はピアノ、ヴァイオリン、チェロの三重奏。3人のうち2名が春日井市の出身在住。このコンサートでは要所要所で春日井に縁のあるアーティストを起用し、市民の皆様の近くに演奏家がいるということを知っていただく機会にもしています。

コンサートは観覧無料。これは会場の交流アトリウムが、文化フォーラム春日井の中にある各施設への通路の役割を果たしており、入場料を頂くことが出来ないため。代わりに、来場者の方々には任意でご寄附を募っています。無料のイベントは開催すればするほど運営にとっては赤字であるだけでなく、お客様に対して「無料だから行く(⇒有料なら行かない)」という習慣づけをすることになりかねません。

そこで、コロナ禍の影響を脱した3年前から「いかにお客様に気持ちよく寄附していただけるか」を念頭に置き、コンサートそのものの内容の充実を図ってまいりました。ご来場の皆様に「こんなにいい時間を過ごせて無料は申し訳ない」「このコンサートが続けられるよう応援したい」という気持ちになってもらうこと。そのため、無料のロビコンではまず聴けないようなスペシャルなアーティストを適宜招聘する一方、経験が少ない若手アーティストにはスタッフがリハーサル段階から企画構成、演奏合間のお話の内容に至るまで細かくサポートし、より満足度の高い公演を作る工夫を凝らしてきました。

その結果、昨年度の寄附金額は60万円を突破。これは5年前(コロナ禍前)の約3倍です。これは単純な金額の問題だけではなく、このコンサートが市民の皆様の支持を得ていることを示すものと受け止めています。財政難になれば文化は真っ先に切られる・・・とよく言われますが、そうならないよう、意義ある事業を続けていくためには単純な金銭の問題と同じかそれ以上に、そうした「支持」の意味の方が大きいとも考えております。

そういうわけで、今年度の上半期の「昼コン・夜コン」も、聴きごたえある「来てよかった」という内容を揃えております。どうぞお気軽に足をお運びください。

★簡単に上半期のラインアップをご紹介・・・

2025/4/18(金)夜コン
昼・夜コンには2015年以来の登場!かすがい広報大使 馬場淳史さんらによる、津軽三味線3人による「じょんから節」「花笠音頭」などなど東北民謡三昧。

2025/5/10(土)昼コン
ミュージカル好きな若手歌手と文化財団の若手スタッフの二人が企画した、名作「オペラ座の怪人」の主要曲を生で楽しむコンサート。イタリア仕込みの経験豊富な歌手が怪人として共演するのも魅力です。

2025/5/30(金)夜コン
ドイツで国家演奏家資格を取得した春日井出身・在住のヴァイオリニストが「昼コン・夜コン」に初登場。モーツァルトとクライスラー。名曲「愛の喜び」「愛の悲しみ」など、ウィーンで活躍した二人の音楽の明暗のコントラストをテーマに。

2025/6/21(土)昼コン
ラフマニノフとプロコフィエフ。二人のロシア人作曲家のピアノ協奏曲がロビーで聴ける上半期目玉の企画。実力折り紙付きの2人のピアニストの初共演。

2025/7/11(金)夜コン
名古屋を拠点に活躍する同世代のギタリスト4人によるカルテット。ギターソロの繊細さ、アンサンブルの響きの広がり。真夏に涼しげなギターの音色でひとときの涼をお届けします。

昼コン&夜コンとは?
開放感あふれる空間で生演奏を、気軽に楽しむ無料のロビーコンサート「昼コン&夜コン」「親子のためのはじめての音楽会」。「昼コン」は土曜日の14時~、「夜コン」は金曜日の19時~(上半期:4月~7月頃、下半期:9月~12月頃)、「親子のためのはじめての音楽会」は年に3回、文化フォーラム春日井1階の交流アトリウムで開催しています。

    公演情報