皆さんにも、忘れられない恩師がいらっしゃいますか?
19世紀初頭の朝鮮。熱心なカトリック教徒の天才学者 若銓(ヤクチョン)は異端とされ、最果ての島へ流刑に。そこで海の生物に魅せられますが、詳しい島民はいません。そんな若銓の問いに返答をしたのは、学問に興味を持つ漁師の昌大(チャンデ)。若銓は昌大の正確な魚の知識を交換条件に四書五経を教えることを提案します。そして、彼の知識をもとにした庶民のための海洋生物学書の執筆を決意するのです。
字は読めない、意味もわからない、それでも学びたいと渇望する昌大と、初めて出会う魚たちに瞳を輝かせる若銓の姿から、新しい世界を知る楽しさが伝わります。「次はこっちが学ぶ番だ!」と師弟入れ替わって学び合う姿の微笑ましいこと。しかし、学ぶことで見えてくる「真実」も・・・。若銓が学問を通し教えたかった境地にたどり着いた昌大の気づきとは?
モノクロでありながら色彩を感じさせる、師弟の美しい絆が必見の一本です。