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【広報の舞台裏】
 松竹大歌舞伎 製作発表報告 2014/5/22(木)


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左より、中村種太郎改め 四代目中村歌昇、中村吉右衛門、中村歌昇改め 三代目中村又五郎

7/27(日)@春日井市民会館で開催する、松竹大歌舞伎東コースの製作発表に行ってきました。夏の暑い時期の巡業はとても大変ですが、演者・関係者ともに気合い十分です!

 

―又五郎・歌昇の最後の襲名披露にかける“播磨屋”の想いをそれぞれお聞かせください。

吉右衛門 「役者は襲名で飛躍すると申します。襲名したてのときは、周りもそのような目で見てくださるのですが、その後が大変です。私も襲名した後、父の初代吉右衛門になかなか追いつくことができず、今になってやっと足元をつかんだかな、と思っています。又五郎さんは言うに及ばず、歌昇さんは襲名から現在までの間にとても活躍して下さり、皆さんに認めていただけるようになりました。播磨屋の一門として嬉しく思っています。

今回、私は『角力場(すもうば)』という演目で濡髪長五郎(ぬれがみちょうごろう)という役を演じ、私と舞台の上で五分にわたり合う放駒長吉(はなれごまちょうきち)という大役に歌昇くんが挑まれます。播磨屋にとって由緒ある役ですね。
先日、横綱白鵬関が全勝で勝ち続けていたんですけれども、土俵で土がついたときに「勝ったと思ったのが油断だった」と言っておりました。私も舞台で勝ったとは思わず、歌昇くんを土俵の砂にうずめるつもりでやりますので、どうかそのつもりで(笑)」

又五郎 「平成23年9月に又五郎を襲名し、様々な場所で襲名披露をさせていただきました。今回上演する『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』では、浮世又平というお役を演じます。この又平役は、平成10年に国立劇場で勤めさせていただいたんですが、その時は吉右衛門兄さんに、手取り足取り教えていただきました。それを洗い直して、初めて演じる心持ちで勤めます」

歌昇 「長かった襲名披露が東コースで最後かと思うと、寂しい思いがします。襲名披露の間に、色々な役を経験させていただきました。最後の襲名披露興行で、吉右衛門のおじさまとがっつり芝居をさせていただけるということが本当に幸せで…。吉右衛門さんを少しでも焦らせることが…できないかもしれませんが、できるよう、精いっぱい勤めさせていただきます」

吉右衛門 「今、焦りました(笑)」

 

―久々の又平を演じるということですが、役への想いと前回のご苦労など、お聞かせください。

又五郎 「前回は、毎日必死に“教えていただいたことを演じられるか”ということで精いっぱいでした。今回は、気持ちに余裕を持って演じたいと思います」

―『角力場」は、吉右衛門さん演じる長五郎に、歌昇さん演じる長吉が立ち向かっていくお話ですが、好青年に立ち向かわれるお気持ちはいかがですか?
吉右衛門 「若い人というのは、驚くほどの煌めきを出すときがありますね。舞台はキャッチボールですから、その煌めきを見逃さず、どう受けとめるのか。毎日、大リーグやサッカーを見て、勉強しています」

―地方巡業ということで、初めて観るお客様もいることと思います。見どころを教えてください。

吉右衛門 「濡髪長五郎という大人の世界を知っている相撲取りと、放駒長吉という若く純真な心を持ったものの“ぶつかり合い”をご覧いただきたいと思います。長五郎の洒落た着物も見どころです」

又五郎 「絵描きの又平が想いかなわず死を覚悟して、手水鉢に絵を描く。そして、お師匠さまに認められていくのですが、揺れ動く心の葛藤を見てもらいたいと思います。少し暗いお芝居のように見えますが、お客様たちに最後はすっきりした気持ちになっていただけると思います」

歌昇 「長吉という役は米屋の丁稚です。お芝居の前半と、長五郎にぶつかっていく後半では、衣裳が変わります。純真な心でぶつかりたいと思っているので、ぜひ皆さんにご覧いただきたいと思います」

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油断は禁物!ベテランと若手の戦いが見どころの松竹大歌舞伎。
昼の部はチケット残りわずか(本当にあと少し)です。“真夏の真剣勝負”を、どうぞお楽しみに!

■「松竹大歌舞伎」
開催日:2014年7月27日(日)昼の部12:00~/夕方の部16:30~(開場は30分前)
会場: 春日井市民会館
入場料:S席¥7,500 A 席¥5,500 B席¥3,500 ※PiPi会員は上記金額の¥500引き
(税込、全席指定、当日券同額、乳幼児可(3才以上有料))

■演目解説=テキスト おくだ健太郎

[2014/06/14|投稿者:スタッフ 丸山和代]