レポート
【FORUM PRESSレポーター】「ドン・キホーテの夢」
FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年7月30日(土)に開催された『ドン・キホーテの夢』のレポートです。
FORUM PRESSvol.76にもレポートを掲載しています。Report172はコチラからご覧ください。(PDF:4.19MB)
Report173「眼福を得られたバレエ公演」 のぐちりえ
バレエ=女性、男性はあくまでも添えもの、というイメージがありました。しかし、この『ドン・キホーテの夢』では、素晴らしい肉体美の男性がたくさん出てきました。我が息子がバレエを始めたばかりということもあり、男性ダンサーの足さばきや、ジャンプの高さなど、技術的な面ばかりを注視。皆さん見事な踊りっぷりでした。
女性ダンサーたちの踊りもため息が出るほど美しい。中でも足のつま先だけで踊る姿は、繊細な中にも力強さを感じ、目の保養となりました。
劇中、案内役の「サンチョ・パンサ」による簡単な解説と愉快な狂言まわし、そして登場人物の踊りで表現された喜怒哀楽、かつパンフレットのあらすじを読むことで、十分に楽しむことができ良かったです。
また、この公演では、春日井市内のバレエ教室に通う少年少女たちとの共演も行われました。間近で本物の美に触れられ、後輩たちを育てる良い場にもなっているのだと感じました。
Report174「本物の感動を子どもたちと。バレエの素晴らしさを体感」 紀瑠美
夏休みの人気イベントとなったプロのバレエ団による「子どものためのバレエ」。春日井市はバレエ教室が多いというだけあって、たくさんのお客様が工夫を凝らしたバレエを楽しんでいました。
バレエ『ドン・キホーテの夢』は、主役の若い男女の恋模様をめぐる冒険物語。美しい舞台で華やかな踊りが繰り広げられました。衣裳も舞台セットも、全幕を上演する時と同じものを使用していて、スペインの雰囲気を存分に楽しめました。見どころをギュッと集めた贅沢な構成で、子どもたちも舞台に集中していました。難しい技が披露されるたび、客席からは盛大な拍手が送られました。
今回も春日井市内のバレエ教室から選ばれた小中学生が共演していました。子どもたちは、プロのバレエ団に混じり、堂々と踊っていて、将来が楽しみでした。
登場人物がストーリーを解説したり、出演者が客席に来てくれたり、すてきなパンフレットがもらえたり、嬉しい演出がもりだくさんでした。
Report175「華やかなバレエの世界に夢心地」 阪井真佐子
女の子なら一度は憧れる「バレエ」の世界。あの華やかな舞台に、熱い視線を送っていたのは、私だけではありません。夏休みに入って、お母さんの横に座り同じく熱い視線を送っていたのは、将来プリンシパルを夢見ているのだろう、可愛いお嬢さんたちでした。春日井市は、バレエ教室が多いそうです。そんなみんなの視線を釘付けにしたのは、やはり主役の2人・床屋の青年バジルと町娘のキトリです。クラシックバレエの醍醐味を充分に味わせてくれた2人の技術は素晴らしいものでした。トウシューズで凛と爪先立つ姿は、まさに憧れの美しさです。ラストの「グラン・パ・ド・ドゥ」は、観ているものを幸せな心地にしてくれる優れた技の連続でした。東京バレエ団の世界観が披露された美しい舞台に、久しぶりに興奮を覚えました。また、子どもたちにもわかりやすいようにと、ドン・キホーテの従者サンチョ・パンサが行う解説も、この舞台をさらに面白くしてくれました。
Report176「バレエは昔から少女たちのあこがれ」 川島寿美枝
会場に入ると、親子連れの観客でいっぱい。さらに、おばあちゃん、ママ、子どもという三世代の家族も沢山いました。そう、バレエは昔から少女たちのあこがれでした。東京バレエ団の『ドン・キホーテの夢』は子どもだけでなく、昔の少女たちをも夢の世界へ誘ってくれました。
従者サンチョ・パンサの案内で、主役のキトリと恋人バジルを中心にお話が進んでいきます。主役の2人の踊りはさすがに一流。息を吸う事も忘れ、ただ見惚れるばかり。会場からは割れんばかりの拍手が起きていました。春日井市内のバレエ教室の子どもたちもバレエ団の方々に混じって、堂々の演技を見せてくれました。きっと沢山のおけいこをしたことだと思います。
忘れてはいけないのがドン・キホーテとサンチョ・パンサと共に旅する馬のロシナンテ。とてもキュートで、ノリノリのステップで場内を沸かせ、惜しみない拍手が送られていました。
Report177「真夏の夢のクラシックバレエ」 マエジマキョウコ
華麗! 豪華絢爛!! あっさり風味の日本とは一味も二味もちがう、こってり華やかなスペインで、波乱万丈なストーリーがくりひろげられます。ドン・キホーテの従者、サンチョ・パンサのお話のおかげで、すぐに物語の世界に入れたのもうれしい舞台でした。
バレエといえば優雅なものだとばかり思っていましたが、喜劇の要素もあることを初めて知りました。勝気なキトリ、りりしいバジル、さっそうとした闘牛士たち。それに、生真面目なクセにおマヌケなドン・キホーテとサンチョ・パンサ、ガンコなロレンツォにちょっぴり変人なガマーシュ。踊り方で性格まで演じわける演技力のゆたかさに感動です。そして、春日井の子どもたち20人のかわいかったこと! 心から拍手を送ります。
カーテンコールのあと、ダンサーのみなさんが客席まで降りてきてくれたのも楽しいサプライズでした。手をさしのべると気軽に握手してくれたりもして……。
夢のようなひとときでした!
Report178「夢のような至福の一時」 與後玲子
『ドン・キホーテの夢』は、シーンの合間に、馬のロシナンテと案内役サンチョ・パンサが登場し、お話しながらストーリーが進む、バレエの初心者や子どもにもわかりやすいバレエ公演です。
私は、バレエ鑑賞は、はじめての経験です。なんとなくチケットが高いような気がしたし、バレエの知識や経験のない者には、難しいのではないかと勝手にハードルを高くしていました。しかし、今回それを大きく覆させられました。人間の鍛えぬかれた四肢と指の先々まで及ぶ繊細な動きで表現される舞踏は、まさしく芸術の極みだと思いました。研ぎ澄まされた、そしてダイナミックな『美』がそこにはありました。叶わぬ「夢」ではありますが、今もし自分に若さとエネルギーがあれば、バレエの門下生にチャレンジしてみたいと思いました。公演終了後、見ず知らずの隣の席の方々と口々にすばらしかったと互いの感動を共有しました。暑い夏を乗り切る、夢のような至福の一時でした。