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【FORUM PRESSレポーター】歌人・鈴掛真 短歌展 そして言葉の導く先に


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2018年5月8日(火)~5月20日(日)に開催された、

【歌人・鈴掛真 短歌展 そして言葉の導く先に】
及び、2018年5月19日(土)に開催された、

【「初めての短歌」ワークショップ】を2人がレポート!

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icon_hayashi2018 Report293【春日井発の才能、もっと輝きますように!】 林佳枝

照明を絞った静かなギャラリー。足を踏み入れると、白い壁に投影された31文字が目に飛び込んで来る。歩を進めれば、巨大な透明の幕に印字された歌が宙に浮かぶ。雨打つ窓ガラスの映像に歌が重ねられていくなど、会場全体が光と影で演出された空間芸術となった、趣向ある短歌展。鈴掛真さんの瑞々しい言の葉が会場のそこかしこで息づき踊り、見る者の心を震わせます。また、自身で小さなキャンバスに刺繍を施した「刺繍短歌」シリーズの展示もありました。
その後、鈴掛さんによるワークショップに参加。短歌には季語が必要ないことを学びました。だから気持ちを素直に詠んでいいのですね。最後に一時間かけ、受講者21人の作品一つひとつに「うん、うん」と共感し、鋭い言語感覚をもって丁寧に講評してくださったのが、とても楽しかったです。終始ニュートラルで誠実な姿勢には好感が持て、その才能と挑戦を応援したくなりました。

 

Report294【言葉の面白さに気づく新鮮な企画】 山田真穂

短歌が、場所や空間全体を作品として体験させる、インスタレーション作品として展示されているものを初めて目にしました。短歌に込められたメッセージが、映像や光などを通じてより深く伝わってきました。キャンバスに短歌を刺繍した作品も展示されており、刺繍の素朴さと色使いが短歌と上手く調和していて、自分の中に自然に溶け込んできました。
この日はワークショップも開かれました。「字余り・字足らず」や言葉の「見た目」によって印象が大きく変わることや、あえて「詠まず」謎を残す表現方法などの説明が、興味深かったです。それから、参加者が各々短歌を作りました。題材も言葉もなかなか浮かばず、初心者の私にとっては難しかったですが、鈴掛さんに表現を褒めていただき嬉しかったです。参加者全員の短歌を鑑賞する時間も設けられ、それぞれの個性が出ていて面白かったです。普段、短歌に触れることの少ない私でも、とても楽しめた展示とワークショップでした。