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【FORUM PRESSレポーター】東京楽所 雅楽公演 ~管絃『七夕』 舞楽『源氏物語』~


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2024年7月7日(日)に開催された
東京楽所 雅楽公演
~管絃『七夕』 舞楽『源氏物語』~
をレポート!

Report534 【時を旅する】宮川 あけみ
宮内庁式部職楽部の楽師らで構成される東京楽所。初の春日井公演ということもあってか、会場はほぼ満員。どんな演奏が聴けるのか期待する気配ムンムンでした。
公演は管絃と舞楽の2部構成。それぞれ『七夕』と『源氏物語』にちなんだ演目が披露されました。『七夕』といえば、彦星と織姫の話は、はずせません。この話を題材にした漢詩に曲をつけ、演奏したのが「朗詠二星」。一年に一度の逢瀬の喜びと別離の切なさが、音色からより深く感じられました。管絃で使用された楽器のなかで、へぇーと思ったのは、笙の取扱い方。吹き終わる度に、楽師が手元の電熱器の上でぐるぐる回しながら乾燥させていました。そのかわいらしい手つきにもクスッ(笑)。舞楽は『源氏物語若菜・蛍』から、四人舞「萬歳楽」と一人舞「落蹲」。ともに色彩豊かな装束と冠を身に着け、大きな袖をゆったり翻して舞う姿は、溜息すら出ません。
目の前で繰り広げられる古式ゆかしい世界は歴史そのもの。遠くシルクロードを経て、日本で独自の発展を遂げた雅楽。終演直後、客席に一瞬の静寂があったのは、会場全体がタイムスリップしていたのかもしれません。

Report535 【雅楽にうっとり、七夕の午後】紀瑠美
七夕の昼下がり、満員の客席に司会の野原耕二プロデューサーが喜びと感謝を伝えます。「雅楽、初めての方は?」の問いかけに、大勢が挙手。そして、楽器紹介へ。宮内庁式部職楽部の多忠輝代表が衣装を身に纏って登場しました。それぞれの楽器の構造や音色が何を表現するかなどの解説は興味深く、時にユーモラスで面白かったです。
第1部は、七夕にちなみ織姫と彦星の歌「朗詠二星」。流麗な旋律にうっとりし、二人の再会に想いを馳せます。第2部は舞楽「源氏物語」から「萬歳楽」と「落蹲」。美しい絹の衣装で舞者が舞いました。
東京楽所は主に宮内庁式部職楽部の楽師で構成され、公演回数は年6回と決まっているそう。その貴重な1回を「来年も春日井で上演できたら―。雅楽は季節で音階が決まっているので、次は時季を変えて年明けなんていいですね」とおっしゃいました。
ぜひ、お越しください!衣装の刺繍の細部が見えるくらい間近の席を予約します‼