財団スタッフDIARY

0年0月の記事一覧


【インターン井出の実習生記録】
夕涼みシネマ『ガーディアンズ~伝説の勇者たち~』


こんにちは。
この夏、名古屋造形大学よりインターンシップ実習生として、
かすがい市民文化財団でお世話になっている井出菜々美です。

8月20日(土)に行われた、野外の開放的な空間で映画を楽しむ「夕涼みシネマ」をご紹介させていただきます。
今回の上映作品は、『ガーディアンズ~伝説の勇者たち~』というアニメ映画。
日本では未公開のもので、ご存じない方もいらっしゃるかと思います。
雪を操る事のできる主人公ジャック・フロストと、その仲間の妖精たちとが繰り広げるドキドキのストーリー。
観ているだけでも涼しくなるような、美しいアニメーション映像の数々。
そんな夕涼みシネマでの一部始終を、インターン井出の目線からレポートをしていこうと思います!

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こちらは上映前の会場の様子です。まだ明るいです。
文化フォーラム春日井一階の、大きなガラス窓をフルオープンにして、スクリーンを外に向けて設置。
このガラス窓を開ける作業を体験させてもらったのですが、SF映画を彷彿とさせる迫力でした。
こちらの窓はなかなか開ける回数は少ないようなので、開いている状態は「レア」との事です。

スクリーンもちょっと特別なもので、裏表どちらからでも投影できる優れものなんです。
普段施設を利用していらっしゃる方には、少し異空間に見えたのではないでしょうか?
私も公共の施設がここまでオープンな空間になっているのは珍しいなと思いました。

そして、スクリーン前には連結マットでちびっ子エリアを作りました。
この位置、この開放感。子どもたちにはかなりの迫力であること間違いなし(確信)!

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映画にはポップコーンでしょ!と、古来より決まっております。(たぶん)
映画がメインなのはもちろんですが、ポップコーンも重要。
夕涼みシネマでもポップコーンはちゃんとあります。しかもとってもカラフルなものばかり!
そんなポップコーンを販売していたのは、
春日井市にあります『ポップコーンカフェ「3BLOCKS」(スリーブロックス)』です。
こだわりの原料とヘルシーな製法で作られたポップコーンは、フレーバーも種類豊富。
オシャレなお店の雰囲気も、映画を観るのをより楽しくするスパイスとなりました。

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辺りもほんのり暗くなってきた頃です……。映画には良い暗さですね。
今回の上映会を楽しみにして来てくださった方々で、客席はあっという間に後ろまで埋まりました。
前方のちびっ子エリアも、子どもたちは喜んでくれていた様で作った甲斐がありました。

日本未公開ながらも、作品はなんとなく知ってるよ!と言って来てくれた男の子。
ちょっぴり怖くてお母さんにしがみついていた子。
作品が待ち遠しくてポップコーン片手に楽しそうにお話をしていた女の子たち。
ご家族みんなで来てくださった方など、沢山の方がご来場くださいました。

物語の主人公や後半に出てくるキャラクターたちは、来てくれた子どもたちと近い年齢です。
自分と近いキャラクターたちの活躍や、臨場感のある映像・音楽を、
広々としたスペースでリラックスしながら、隣のお友達や兄弟と
時には作品に吸い込まれるように楽しく観てくれていました。

3BLOCKSも開場と同時に販売をスタート!
初めてカラフルなポップコーンを見た人も、既にリピーターな人も、
どれにしようかと楽しく迷いながら購入している姿が見られました。
ポップコーンのフレーバーは様々でして、インターン井出もちょこっと試食。
定番のキャラメルと旨味を感じられるフレーバー2種類を頂きました。
「わぁ美味しい~!」と思わず声を出してしまい、実習生モードだった私を一瞬OFFモードにしてしまいました。
恐るべし3BLOCKSポップコーン……。

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実はこの日、天気予報は雨……。しかし、空は雲が漂っているだけで、大丈夫かも!?とスタッフの皆さんと祈るように会場にいました。
上映開始から何分か経った時です。ついに雨が……。
しかし、突然の雨でも、お客様は素早く館内へと移動され、
椅子も速やかに並べ、お客様同士で助け合ったりしていました。
その結束力に、純粋に「凄い……。」と感動しました。
上映最後には自然と拍手もあり、帰り際に使用した椅子をスタッフだけでなく
お客様も一緒になってまとめてくださり、この光景は凄い事なのでは?とまた感動。

皆様のご協力により、今回夕涼みシネマは無事に上映する事ができました。
今日の上映会は、ただ映画をみんなで観るだけじゃない、
周りの人との繋がりや一緒に楽しむことを共有できるイベントなんだと考える事ができました。
これはスタッフだけの力ではなく、来てくださった皆様のおかげでもあります。
本当にありがとうございました。

私はこの夏、インターンシップ実習生として、
ワークショップやイベントの運営というやったことのないことに関わり、不安になることもありました。
ですが、人と人との関わりを感じられたり、来てくださった方の笑顔を見られたことが
とても嬉しく、インターンシップに来てよかったなと感謝しています。

実習期間も、残り少なくなってきていますので、
最後まで全力で頑張りたいと思います。

以上インターン井出でした!


【FORUM PRESSレポーター】オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ「吹奏楽フェスタ2016 in 春日井」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年6月4日(土)に開催された『吹奏楽フェスタ2016 in 春日井』のレポートです。
FORUM PRESSvol.75にもレポートを掲載しています。Report158はコチラからご覧ください。(PDF:3.92KB)

Report 159 「クールでオトナな吹奏楽と『アレクサンダー・テクニーク』」 マエジマキョウコ

高校生たちと先生方で、会場がいっぱい! それもそのはず、全日本吹奏楽コンクールの課題曲を実際に聴けるコンサートだったのです。
まずは、その課題曲を5曲。指揮者の小林恵子さんが、一曲ずつ丁寧に解説したうえで、陥りがちな演奏と模範演奏をしてくれます。素人の私にも明らかに洗練された演奏になるのがわかって納得。
続いて、ゲストのバジル・クリッツァーさんが『アレクサンダー・テクニーク』という呼吸法を教えてくれました。観客も、立って実践してみます。「目線を保つと身体が丸まらない」などの具体的な技法に心も身体もほぐれていくのが感じられました。
そして、吹奏楽の定番曲のスペシャルコンサート。フィナーレは楽器を持ってきた人がみんな舞台にあがって『宝島』を演奏。舞台をうめつくす楽器と演奏者は、演奏はもちろん、視覚的にも大迫力!! 楽器を持っていない私たちも手拍子で参加して、楽しいコンサートは幕となりました。
クールで有意義ですばらしいコンサートでした!

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Report 160 「ブラス+シンフォニック!」 川島寿美枝

会場に入ってびっくり。中高生の観客の熱気にあふれ、大人の私にとって、ちょっと場違いな肩身の狭さを感じました。今まで吹奏楽=行進曲というイメージを持っていました。しかし、コンサートを聴いて、交響曲と変わらぬ重厚感もあり、固定観念が吹きとばされてしまいました。第一部の課題曲コンサート。指揮者の小林恵子氏が課題曲を練習するにあたっての、取り組み方の解説を混じえて演奏。まわりの学生達は、最初の曲の出だしで驚きの喚声。「めちゃ速い」「迫力がすごい」などなどが耳に入ってきました。中高生のブラスバンドがこんな難しい曲を夏のコンクールに向けて練習をしていることを知り、ただ驚くばかりで、思わず心の中で皆にエールを送りました。小林氏のエネルギッシュな指揮ぶりと管楽の迫力、パーカッションのリズムの素晴らしさに、ただ酔いしれるばかりでした。

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【FORUM PRESSレポーター】「林家たい平 親子落語会」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年5月22日(日)に開催された『親子落語会』のレポートです。
FORUM PRESSvol.75にもレポートを掲載しています。Report151はコチラからご覧ください。(PDF:3.92KB)

Report152 「親子で笑っチャオ」 宮川あけみ

出囃子が流れる会場に入ると、多くの親子が始まりを待っていました。今回、高座に上がったのは林家たい平師匠。『笑点』でおなじみの方です。御自身も3児の父であり、各地で親子落語会を行っているとのこと。落語を共通の話題にして親子の会話を楽しんでほしい、親子で笑うツボが違うからさらに会話が生まれるとも話していました。
まず落語の世界を楽しむために、声色やしぐさで人物の違いを表すこと、扇子や手拭いの使い方などを教えてもらいました。このとき強調していたのは聞き手の想像力が大切だということです。
落語の演目は『初天神』。天神様にお参りに出かけた父と息子。物を買わない約束をした息子が、どうにかして買ってもらおうとおねだりをする掛け合いがおもしろい話です。会場が天神様のお祭りのような雰囲気になるほど、皆が引き込まれていました。親子で同じところで笑ったり、違うところで笑ったりする姿に、師匠が望む親子の会話が生まれるきっかけになるのではと思いました。

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Report153 「“落語”―キーワードは“想像力”!」 前島恭子

「落語は想像力を育てる」とたい平さんは言います。「生きてゆくのに一番大切なのは想像力だよ」と。
『親子落語会』は3部構成。1部はたい平さんが寄席や落語というものの紹介や演技のコツを判りやすく、面白く語りながら『みそ豆』を演じてくれました。
2部は『江戸太神楽』。傘の上でボールや湯呑みや枡を回したり、あごや額に椅子を立てたり、棒の上でお皿を回したり……。ナマで観るのは初めてで、ドキドキハラハラの連続でした。
そして3部は『親子落語会』なので子どもが出てくる噺『初天神』。小生意気な子どもと少しマヌケな親父さんとのやりとりは何度聴いてもお腹がよじれます。
平成の今、忘れていたゆったりと流れる時間を思い出しました。ありがとうございます。
「落語を聴くと元気になれるんだよ」「生きてゆくのに一番大切なものなのだよ」。たい平さんが真剣にくりかえし語りかけるのがとても印象に残った落語会でした。

Report154 「落語が生み出す、幸せワールド」 與後玲子

通常「親子○○会」というと会場は、ワイワイガヤガヤしているものですが、さすが人の話を聞くという落語ならではでしょうか、開演前の客席はとても静か。しかし、落語が始まると、子どもらしいはじける笑い声があふれました。楽しい時にゲラゲラ声を出して笑う事、それは、年齢を問わず、体の中に幸せ・健康エキスがめぐる事。噺家の話芸により、その情景が誰のものでもない唯一無二の想像というスクリーンに浮かび上がります。想像力の世界に年齢の垣根はなく、むしろ子どもの方が不必要な情報に惑わされず楽しむ力があると、たい平師匠はおっしゃいます。落語の登場人物は、なにかしら失敗や問題を抱えていますが、笑いという魔法の作用で、幸せな気持ちにさせてくれます。また、たい平師匠は、扇子と手ぬぐいのみの小道具で、すべてを表現するという「スゴ技」も披露してくださり、いつの間にか会場は、幸せのたい平ワールドに引き込まれていました。

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Report155 「子どもにもわかる落語の面白さ」 田中昭則
親子落語会、と聞いて正直なところ、ちょっと心配でした。はたして子どもたちに落語がウケるのだろうか、と。でも、蓋を開けてみれば、そんな心配は吹き飛んでしまいました。さすがは話術のプロ、噺家です。
マクラでは冗談を交えつつ、落語とは一体どんなものなのかを分かりやすく解説します。いつの間にか噺が始まり、笑わせるところでは子どもたちにもドッとウケていました。中には腹を抱えて笑う子もいるほど。その様子を見ていると、今時の子どもたちも、想像力のエンジンを働かせれば、ちゃんと笑いの勘どころを理解して笑うのだと感心しました。まさにたい平師匠の狙い通りの落語会でした。
いろものの太神楽は、古典的な大道芸で子どもたちだけでなく、親御さんたちにも新鮮だったようです。とにかく公演時間があっという間の、楽しい親子落語会でした。

Report156 「たい平さんの人柄にほっこり」 阪井真佐子

春日井市東部市民センターで公演された林家たい平の『親子落語会』。たい平さんの温和な人柄が終始話しぶりの中に滲み出ていた。この日は奇しくも人気TV番組『笑点』の歌丸ラスト大喜利スペシャルで5時半から生放送が予定されていた。レギュラーのたい平さんは、話の途中でそのことに触れ、「ヘリコプターでとんぼ返りする」などと言って笑わせていた。『笑点』をネタにしている時のたい平さん、妙に生き生きとしていた。たい平さんは、『笑点』のメンバーで一番の若手なのに、51歳だとか。中堅の彼はこれからの落語発展のために尽力している。その一つとしてこの『親子落語会』があるようだ。落語を通して子どもの想像力を育てたいとのこと。親子が隣同士で座ることによって、子どもは親の横で親の笑い声を感じてほしいし、親は子どもの笑うところで子どもの成長を確かめてほしいとも。最後に子どもたちに、「平和」「いじめ撲滅」「地球環境」についてのメッセージを送ったたい平さんは、どこまでも爽やかだった。

Report157 「落語家 林家たい平さんの試み」 大橋正枝

「 落語は想像力が大切なんです」という林家たい平さん。手ぬぐいが焼き芋になったりポテトチップスの袋になったり。
開演前、落語って何?どんなことが起こるのかな?と思っているのでしょうか、子ども向け公演にも関わらず皆静かに席についていました。
日頃、時代劇にも馴染みがなさそうな子どもたちが、どんな景色を想像しながら落語を聞くのか心配していましたが、たい平さんの七変化に両手を叩いて笑っている姿を見てほっとしました。太神楽の芸ではキャラクターショーにも劣らない歓声が響き渡っていました。親にもたれかかって聞いている子どももいて、みんなリラックスして楽しんでいる様子でした。
たい平さんの「落語によって子どもの想像力を養い、親子のコミュニケーションを豊かにする」という試みは大成功だったのではないでしょうか。
親子落語会の子どもたちを見て、これからの落語の未来は明るい、と思ったのでした。


【FORUM PRESSレポーター】「茂木大輔と宮本益光の生で聴く“のだめカンタービレ”の音楽会」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年5月8日(日)に開催された『のだめ音楽会』のレポートです。

Report147 魔笛の魔法にかけられて 野口 颯一朗

のだめ音楽会10周年を記念して、春日井で3公演連続で開催されたコンサートも今回で最終回。指揮者の茂木さんが今まで温めてきたオペラ『魔笛』の企画に、オペラ歌手の宮本益光さんが構成・解説というまさに最強のコンビが生み出した素晴らしい公演でした。
まず、色鮮やかなパパゲーノの衣装を着た宮本さんが客席から「オイラは鳥刺し」を歌いながら登場。ドイツ語の歌詞と日本語訳はのだめ音楽会お得意のスクリーン投影で見ることができ、歌の合間には宮本さんによる解説もあるので、まったくオペラがわからない僕でも物語に入り込むことができました。もちろん演出だけではなく歌も素晴らしく、特にこの『魔笛』の中でも有名な『夜の女王のアリア』の高音の迫力には鳥肌が立ちました。
茂木さんと宮本さんの音楽の魔法にかけられたあっという間の2時間半。僕が今まで抱いていた、オペラって少し難しいかも…という先入観が吹き飛んだ楽しいコンサートでした。またこのようなオペラの企画に期待です!

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Report148 「オペラを一緒に楽しもう!」 かつみ I

愛知を代表する3つのオーケストラが演奏した3連続公演の最終回を飾ったのは、名古屋フィルハーモニー交響楽団です。プログラムはオペラ『魔笛』。パパゲーノ役を演じたオペラ歌手・宮本益光さんは、漫画家・二ノ宮知子先生に『のだめカンタービレ番外編』の漫画を描く段階から相談を受けていたそうです。今回の舞台構成も担当され、「やっと今日にこぎつけた」と言われるほど。黄色い鳥がちょこんとのった帽子を被り、客席中央から歌いながらの登場です。パミーナ姫との二重唱は低いバリトンと高いソプラノの声が美しく調和し、「♪人は神の高みにまで至る」という歌詞そのままに、崇高に響いてきました。宮本氏が「モーツァルトの力を借りながら一緒に楽しもう」と言われた通り、可愛らしい鈴の音に合わせて観ている私達も一緒になって体操をしたり、指揮者の茂木大輔氏を「モーギー!」と皆で呼んだり。客席全体がメルヘンの世界にぐっと引き込まれていました。

Report149 「『のだめ音楽会』こそが楽しい魔法の笛」 のぐちりえ

「ソラシドレ♪」鳥の鳴き声を模したパンフルートの明るく軽やかな音が響き、そして軽快なトークで会場が沸く。
モーツァルトが当時“貴族”ではなく“民衆”に楽しんで観てもらうために作ったとされるオペラ『魔笛』。今回の『のだめ音楽会』はその『魔笛』を、黒い薔薇歌劇団主宰のオペラ歌手・宮本益光さんがカラフルな『鳥刺しのパパゲーノ』に扮し、ダイジェストで解説してくださいました。
これがおやじギャグ入りで、面白いし楽しい。きっちり解説し、他の歌手の方と主な曲を力強く歌いつつも、『魔法の鈴』の音(チェレスタ)に合わせて、観客と一緒にメタボ解消体操をしたりと、まさに“民衆”のための音楽会という感じでした。
ダイジェストでこれだけ面白いのですから、どうせなら全編観たい!と思うのは自然の流れ。是非とも春日井で黒い薔薇歌劇団による『魔笛』全幕を実現していただきたいです!

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Report150 「クラシック音楽の魔法にかかった私」 與後玲子

今回の公演は春日井での「のだめ音楽会10周年記念3大オケ公演」のトリとして名フィルの生演奏で開催されました。前半は「アンコールオペラ編」でモーツァルト歌劇『魔笛』。後半はベートーヴェン『交響曲第7番イ長調作品92』。『魔笛』は、のだめに登場する白い薔薇歌劇団を模して、黒い薔薇歌劇団を結成したオペラ歌手の宮本益光氏自身が監修、出演された本当に楽しいオペラでした。私にとってクラシック音楽は、高尚でハードルが高いものでした。しかし、のだめが今も愛され続けているのは、クラッシック音楽という文化が、漫画の力を借りて現代にわかりやすく、楽しく表現されているから?音楽は、人の生活、心の葛藤等から生まれ、全身全霊を込めて演奏されます。だからこそ、人は音楽により救われ癒され感動するのだと思います。私自身、後半で演奏された、『交響曲第7番』から繰り出されるリズミカルかつ熱狂的なフィナーレに、心がふるえ浄化されたような気がいたしました。

Report151 満員御礼の『のだめ』フィナーレ!! 前島恭子

なんという贅沢! モーツァルトの歌劇『魔笛』(黒い薔薇バージョン)と、ベートーヴェン『交響曲第7番』全曲という大作2本立ての演奏会なんて……!! 2006年1月29日が初演の『のだめカンタービレの音楽会』。そこから始まった10年の集大成が、この極めつけの贅沢になったのだと感動しました。
『魔笛』―歌手の皆さんの声ののびやかで素晴らしかったこと! そして“魔法の鈴”のダンスのコミカルで可愛かったこと! 原作コミックの映像も楽しくて、「歌劇ってちょっとハードルが高いかも……」と思っていたのが「この『魔笛』、一度、全幕とおして観てみたい」に変わってしまいました。
『ベト7』は1時間もかかる大曲なのに、演奏と、タイミングよくはさまれる映像や説明のおかげもあって、長さをまったく感じませんでした。これだけ聴かせる茂木さんも名古屋フィルハーモニー交響楽団もスゴい! そしてそれを支えるスタッフもスゴい!
いつか“同窓会バージョン”(?)でまたお会いできたらいいな!


【スタッフ鈴木のアレコレ紹介】
美術ワークショップ「夢の島をつくろう!」
~子どもたちからの感想のお手紙~


こんにちは!スタッフ鈴木です。

去る5月30日と6月3日、春日井市立牛山小学校の6年生の2クラスにて、
美術家の竹田尚史さんと榊原由依さんによる、「夢の島をつくろう!」という美術ワークショップを行いました。

竹田さんの、「私は山になって眠る」という作品の上に、
子どもたちが色つき粘土、木材、人形などを使って思い思いの物を作り、「夢の島」を完成させます。

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ワークショップのあと、子どもたちから、2人の先生へ、授業の感想のお手紙が届きました。
それぞれ、自分が作ったものの絵を描いてくれています。

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2人の先生の作品をみんなで見たあと、自分たちで「夢の島」を作り、「現代アート」に
触れた子どもたちはどんなこと思ったのでしょうか? 感想をちょっとだけ紹介しますね。

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「『現代アート』はどういうものか、知らなかったけど、とてもふしぎでおもしろいものだと思いました。」

「いつもは見れないようなものやつくれないようなことができて、すごくおもしろかったです。」

「夢の島づくりでは、自分たちで自由に作品を作ることができたし、みんなで楽しくおしゃべりしながら作業するものよかったです。授業が終わった後、みんなが『時間がたつのがはやくかんじたね』と楽しそうにはなしていたので図工がもっとすきになれました。」

「先生は上手じゃなくても好きなものを好きなようにやればいいといってくれたのでちょっと自信がついた気がします。」

「わたしは図工がだいすきで、絵や工作をよくやります。ですがアイデアがうかばないときもあります。しかし金曜日のせんせいたちの話をきいて考えがかわりました。『自由な発想でいいんだ』『ちょっとした思いつきでいいんだ』と思いました。」

「ぼくは、こんかいの『夢の島をつくろう!』をして、頭にうかんだものを、工夫して、それを実現するのは、おもしろい!と思いました。」

「私は、図工の授業をし、思ったことがあります。それは、ふだん生活している中で、「こんなことをしたらおもしろそうだな」と表してみることが大切だと思いました。物で、表して、人の心を動かすということは、とてもすばらしいと思いました。」

「みんなで島を作ることで、みんなのことが少し分かったきがします。」

「どんなものを作るか迷っている時間もたのしかったです。作り終わって、完成した作品を見たとき、『本当にこの島があったらいいのにな』とおもいました。」

「みんなといっしょにつくれるので、しっぱいしてもせいこうしてもとってもたのしかったです。もっといろんなものをいっぱいいっぱいつくりたかったです。」

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子どもたちの感想を読んで、竹田さんと榊原さんが伝えたかったアートの自由な面白さを、
子どもたちが体感してくれたのではないかと感じました。

今後も、春日井市内の小学校での美術ワークショップを予定しています。
子どもたちに楽しんでもらえるよう、スタッフも頑張ります。
詳しいワークショップの模様は、「情報誌FORUM PRESS」でも紹介予定です。

今回の子どもたちが作った作品は文化フォーラム春日井にて、竹田尚史さんの作品と一緒に展示されます。
夏休み期間なので、子どもたちにも見ていただけたら幸いです。
ご来場お待ちしております。

【展覧会情報】
Shift Cube Vol.36
竹田尚史展 光は宇宙で生まれ 地球で星になる
2016年7月10日(日)~9月4日(日)
文化フォーラム春日井・交流アトリウム


【FORUM PRESSレポーター】茂木大輔の生で聴く “のだめカンタービレ”の音楽会 “Rui’s Edition”


FORUM PRESSレポーターが公演をレポートする「わたしレポート」。
2016年3月13日(日)に行われた「のだめカンタービレ”の音楽会」のレポートです。
FORUM PRESSvol.74にもレポートを掲載しています。Report141・142コチラからご覧ください。(PDF:3.02MB)

Report143 「隠れ名曲づくし!Rui大特集!」 野口颯一朗(中学生レポーター)

のだめのライバルとして作中で重要な役割を果たしている孫Rui。今回の公演ではそんな彼女にちなんだ曲たちが演奏されました。
まず最も印象的だったのは「傑作」と言われるラフマニノフの『ピアノ協奏曲第3番』。曲の冒頭から常に両手の指が流れるように動き、とても厚みのある音が続くロマンチックな前奏。その後の強く激しいピアノの超絶技巧のソロパートは魂が揺さぶられるようでした。ラヴェルの『ピアノ協奏曲ト長調』は「パチーン」というムチの音から始まり幻想的な旋律が続く、まさに〝のだめ〟のような自由奔放なイメージを持たせる曲でした。第二楽章では、しっとりと切ない曲想に切り替わり、スクリーンに投影される千秋やのだめの心情にリンクした演出でとてもドラマチックでした。最後の『ボレロ』は少しずつ楽器が加わっていき全てのパートの音が出された時の雄大さは圧巻の一言に尽きます。隠れた名曲だらけだった今回のプログラム。清々しい気持ちで会場を後にできました。

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Report144 「豪華フルコースをごちそう様でした」 伊藤弘子

『“のだめカンタービレ”の音楽会』が、春日井で初演されてから十年の節目を迎えました。難曲と言われるラフマニノフの『ピアノ協奏曲第3番』(ピアノ:高橋多佳子)、ダイナミックなラヴェルの『ピアノ協奏曲ト長調』(ピアノ:岡田奏)、同じくラヴェルの『ボレロ』とトリプルメインディッシュといった趣があり、胸にズシンと響きました。他にも前菜風な『ポルカ』あり、魅力的なデザート『アイ・ガット・リズム』あり、サンバ風の味付けの楽曲あり、爽やかで心安まるアンコール曲に至るまで、バラエティに富んだ内容でした。中部フィルハーモニー交響楽団も、全力を出し切ったという感じでした。個人的に特に『ボレロ』が好きなので、小太鼓の刻むリズムに段々気持ちが高ぶってゆき、涙が溢れそうになりました。「のだめ」ファンならずとも心から楽しめ、満足できる演奏の数々でした。これからも長く、そして益々全国的に広まってもらいたい音楽会でした。

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Report145 「ますます躍進する、『のだめ音楽会』」 大橋正枝

開演前から市民会館は人で溢れかえっていました。春日井から発信した『のだめ音楽会』、はや10年の年月が経ちました。それなのにまだまだ熱いのだめファン。今回、特別販売された「のだめ」新作読み切り掲載の雑誌を買い求める人は多く、あっという間に売り切れてしまったことが人気ぶりを証明しています。
私はオーケストラとその背後に写し出された漫画に、記憶が薄れかけていた「のだめ」を思い起こしていました。 あの頃、音のない2次元の世界(漫画の世界)に思いをはせ、その素晴らしい音色を想像していました。今、その音色が目の前に流れています。素晴らしい演奏を耳にするだけではなく、漫画の中での登場人物の苦悩や熱意さえも感じることができるのです。
今回はのだめのライバル、Ruiが登場しました。ジャズやラテンの要素を取り入れた曲も演奏され、その新しい試みに、これからもこのコンサートが続いていくことは間違いないと確信しました。

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Report 146 「もっと『のだめカンタービレ』!!」 前島恭子

『“のだめカンタービレ”の音楽会』10周年公演・第2弾の演奏会では、とあるアクシデントで千秋と共演し、「のだめ」こと野田恵にライバル視される「孫Rui」が弾くラフマニノフ『ピアノ協奏曲第3番』が演奏されました。
超絶技巧で1時間もの大作。なのに、選び抜かれた原作の名シーンもあって、長さを感じませんでした。
Ruiと千秋が心かよわせるシーンに使われた『I got a rhythm』。続いて、Ruiが「まるで『のだめ』みたい」と言い、「のだめ」自身も弾きたいと願った、ラヴェル『ピアノ協奏曲ト長調』。
千秋がブラジルで指揮した、ミヨー『ブラジレイラ』を挟んで、怒涛のラヴェル『ボレロ』。
さりげなく難曲ばかりのこの音楽会。「素晴らしい」「ブラボー」という一言では言い表すことのできないほど、心に迫ってくるものがありました。
もっともっと聴きたい『“のだめカンタービレ”の音楽会』。10周年公演の第3弾は5月8日「オペラ『魔笛』と『ベートーヴェン交響曲第7番』」。
「のだめワールド」ますます全開です!!


【スタッフ鈴木のアレコレ紹介】「ドン・キホーテの夢」子役ダンサー練習風景


みなさまこんにちは!入社2年目になりました、スタッフ鈴木です。
すっかり初夏の気候ですね。今年の夏は暑くなると聞いて、夏バテ対策をしないとな…と思っています。

今年の暑~い夏、外の暑さをしばし忘れさせてくれるようなロマンチックなバレエはいかがでしょうか?

バレエって憧れるけれど、初心者にはちょっとハードルが高そう…とか、
セリフがないから子どもたちにはまだ難しいかな…なんて思っている方も多いかもしれません。

7月に上演する「東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』」はそんな方におすすめ。
タイトル通り、子どもたちが楽しめるように、名作バレエ『ドン・キホーテ』をアレンジした作品です。
通常はバレエにはセリフがありませんが、今作は劇中、ドン・キホーテのお供、サンチョ・パンサが案内役としてコミカルな解説を行うので、物語の世界にすんなり入ることができます。

見どころはそれだけではありません!
この公演では、春日井市内の5つのバレエスタジオから選抜された、20名の小さなバレエダンサーたちが、子役としてプロのダンサーと共演します。
本番に向けて、5/15(日)に、初めて全員揃っての練習が行われました。その模様をちょっとだけお見せしますね。

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この日初めて顔を合わせる5つのバレエスタジオの子どもたち。
真剣な表情で公演の映像を観ながら、動きを合わせていきます。
緊張感のある空気に、見ている私も背筋が伸びました。

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彼女たちが演じるのは、風車に突撃して気を失ったドン・キホーテの夢の中に現れる、
小さなキューピッドたち。
可愛らしくロマンチックな踊りはまさに夢の世界です。

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「練習から笑顔を作ってね!」と先生からの声が飛びます。
動きがそろった瞬間、優雅なバレエの世界が広がります。

街中のシーンに登場する、キッチンボーイ役、街の男の子・女の子役の子どもたちも、
実際の小道具に見立てた机や台車を使い、本番へのイメージを高めていました!

初めての練習ながら、集中力を切らさず、めきめき動きが良くなっていく子どもたちに、プロ意識すら感じました。
さらに練習を重ねて、本番ではプロのダンサーと一緒にどんな舞台を見せてくれるのでしょうか?
早くもワクワクしています!
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【公演情報】
東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』
2016年7月30日(土)15:00@春日井市民会館
チケット好評発売中!
公演詳細はコチラ


【FORUM PRESSレポーター】
「となりの人びとー」現代美術 in 春日井


FORUM PRESSレポーターが公演をレポートする「わたしレポート」。
2016年1月30日(土)~2月28日(日)に開催された『「となりの人びとー」現代美術 in 春日井』のレポートです。
FORUM PRESSvol.73にもレポートを掲載しています。Report138はコチラからご覧いただけます。(PDF:4.73MB)

Report 139 「街の中にさりげなく現代美術、いいですね」 伊藤弘子

『となりの人びと』とは、何とぴったりなネーミングなのでしょう。8月に開催される『あいちトリエンナーレ2016』を意識し、時間、地域、日常生活の中に、又その「となり」に、そして向こう側にある現代美術を取り上げる催しです。芸術作品に説明は必要ないかもしれませんが、特に現代美術の場合、アーティストトークにより作者の意図がよくわかり、親しみも沸いてきます。個人的には少年時代の夢を膨らませた設楽陸さんの妄想作品、水玉模様ポツポツの杉浦光さんの点描大作品、鮮やかな色合いの今井俊介さんのシマシマクネクネ作品が印象に残りました。
それにしてもアーティストってみんな澄んだ目をして、何てカッコいいのでしょう。クリエイティブな活動に打ち込んでいるからでしょうか。会場は文化フォーラム春日井を飛び出し、近くのビルでは詩なども展示されていました。
街をブラブラしながら瑞々しい芸術作品に出会うのは、なかなか粋なものです。

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Report140 「となりはアーティスト!? まちごと、芸術!!」 前島恭子

油絵、陶芸、写真、点描、絵本、アニメーション、音、空間、そして、春日井の3つのまちなか会場……。その日、春日井には、ありとあらゆるアートがあふれていました!!
2016年1月30日。アーティスト・トークで解説してくれたアーティストの方々は、皆さん、とてもスタイリッシュで……。女性はカワイイし、男性方はイケメンばかり! オバさんはビックリしてしまいました(オバさんには、芸術家といえば、ダサくてムサいイメージがありましたので。ごめんなさい)。いやぁ~、ステキだなぁ~!! と、ウットリ……。
「今ドキのアートって、こんなにカタカナが似合う世界なんだ~!?」
期間中、何度も足を運んで、じっくり観たくなります。そんな魅力満載のアート展でした!
「ちょっと気分が変われば、アートになるんだ!!」―この感覚、ぜひ、体験して欲しいです! 日常でも、ちょっと視点を変えてみれば、そこは、もう、アートの世界かも……?
すばらしいとは思いませんか?


【FORUM PRESSレポーター】
茂木大輔の生で聴く “のだめカンタービレ”の音楽会 10th Anniversary


FORUM PRESSレポーターが公演をレポートする「わたしレポート」。
2016年1月24日(日)に行われた「“のだめカンタービレ”の音楽会」のレポートです。
FORUM PRESSvol.73にもレポートを掲載しています。Report131はコチラからご覧いただけます。(PDF:4.73MB)

Report132 「音楽を愛する「のだめ音楽会」。魅力が詰まった10年間の軌跡」 のぐちりえ

今回10周年を迎えた『“のだめカンタービレ”の音楽会』。いつもなら鑑賞し、「いい音楽会だったね」と余韻に浸って終わり…なのですが、今回は特別に指揮者の茂木さんや演奏者の方々にお話を伺うことができました。
オーボエ奏者の茂木さんが指揮者としての一歩を踏み出した「のだめ音楽会」の初演と比べ、今回の演奏は、大学で勉強をし直してプロ指揮者になり、また場数も踏んだことで安心して純粋に楽しく指揮をすることができたそうです。
「先人達が残した素晴らしい音楽を自分で感じ、勉強してわかったことを自らの指揮と解説によって、皆さんに聴かせたい、広めたい。それが僕の使命で、まだ山を一歩ずつ登っている途中だけれども、今回、その足跡を見つめ直すことができた。振り返ってみて、素晴らしい景色が広がっていたよ。」と茂木さんは熱く語ってくださいました。
曲の途中で手拍子が起きるなどお客さんと演奏者の一体感がすごい!「のだめ音楽会」ならではで面白い!と楽しそうに話してくださったのはセントラル愛知交響楽団の方。演奏者の方もテンションが上がるそうです。
また、今回の音楽会にはアマチュア演奏家の皆さんも一般公募で参加。「オーケストラを信じて尊敬して一緒に楽しんだら、素晴らしい音を作れる」ことを肌で感じたのではないでしょうか。
とても有意義な「楽しい音楽の時間」でした。

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Report133 「進化し続ける!のだめ音楽会」 野口颯一朗

映像とオーケストラの生演奏の融合、クラシック界では異例の“一週間でチケット完売”など数々の伝説を残してきた「のだめ音楽会」。今回は誕生から10周年を記念し、初回を完全再現した、のだめ作中のいいとこどりのプログラムでした。
最初のベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』では、漫画内の弦の押さえ方を研究し、ジミヘン弾きを忠実に表現。バイオリン・ビオラの奏者の方々全員が楽器を上げ、演奏する姿はまさに圧巻で、客席からは盛大な拍手が巻き起こりました。次曲のモーツァルト『オーボエ協奏曲』では、やわらかなオーボエの音色で颯爽と“ピンクのモーツァルト”が奏でられました。ドラマのエンディングにも使われた『ラプソディ・イン・ブルー』は、ピアノのジャジーで豪快な音色や、茂木さんの踊るような指揮で、耳はもちろん目でも楽しむことができました。
茂木さん自身も指揮者として成長できたという10年間。これからも多くの人々にクラシックの素晴らしさを伝えていってください!

Report134 「まだまだ『のだめカンタービレ』!!」 前島恭子

もう「のだめ』ワールド」から目が離せません!!
原作の大ファンでもある茂木さんが振るオーケストラはもちろんのこと、映し出される原作の名・迷シーンや解説がまたステキなのです。茂木さんのおしゃべりも楽しく、あたたかく、日頃クラシックに馴染みのない私もグイグイひきこまれてしまいました。
数年前にも来たことがあるのですが、演奏も楽しさも磨きこまれて一段とパワーアップ! 映像もさらに魅せる構成に進化しています。全国から集まったアマチュア演奏家の方々をはじめ、出演者の情熱が観客のひとりひとりにまで伝わってきます。
かすがい市民文化財団スタッフの妄想(?)から実現したこの音楽会が、全国で80回の公演を重ね、のべ12万人もの観客を魅了しようとは……! 10周年を迎えた今年は、3月の“Rui’s Edition(のだめのライバル・孫Ruiが演奏した曲中心)”と5月の“オペラ「魔笛」とベートーヴェン交響曲第7番”も愉しみです。
絶対、観に、いや聴きに来なくっちゃ!!

Report135 「十年前そして十年後、のだめは永遠に」 伊藤弘子

『“のだめカンタービレ”の音楽会』を聴くのは三回目です。私は「のだめ」の漫画もドラマも映画も見たことがありません。会場は「のだめ愛」に満ちたのだめファンで埋まり、他のクラシック会場とは違った親近感が溢れています。
のだめファンの若い母親に連れられた、子どもたちの姿もチラホラ。
ベートーヴェンの『英雄』など、耳によく馴染んだメロディが、セントラル愛知交響楽団によって演奏されます。指揮とお喋りは勿論、茂木大輔さん。やはり茂木さんあっての「のだめ」です。オーボエの池田昭子さん、ピアノの三輪郁さんも爽やかに切なく、ロマンチックに情熱的に、「のだめ」の世界を盛り上げます。最後のブラームスの『交響楽第一番ハ短調作品68より第四楽章』は、公募によって全国から参加したアマチュアの演奏家との共演です。プロ・アマ合同による相乗効果で、緊張の中にもしみじみとした調和がうまれました。三月と五月の公演も楽しみです。

Report136 宮川あけみ

漫画『のだめカンタービレ』が本の中から飛び出し、オーケストラ公演という形で全国を巡ることになって10年。今回の記念公演は、誕生のきっかけとなった、ここ春日井で開催されました。始まると、曲とともにオーケストラのバックに「のだめ」の映像が映し出され、聴きながら読んだことのない「のだめ」の世界に思いをはせていました。演奏の合間にあった、指揮者の茂木さんの解説も親しみやすく、中でも原作者である二ノ宮知子さんがこののだめを描くために、プロの方の演奏する姿を撮影し、その映像を参考にしたという話がありました。楽器の指遣いなどのシーンは、プロが見るとどの曲のどの辺りか分かるほど正確だということです。そこまで「のだめ」を描くために力を入れていたことが分かり、その世界観を大切にする姿勢は素晴らしいと思いました。この姿勢が、高いと思われがちなクラシックの敷居を低くし、10年続く公演の要になっていると感じました。

Report137 「さあ、楽しい音楽の時間の時間デス(漫画の登場人物の言葉より)」 ますだ けいこ

漫画『のだめカンタービレ』を元に生まれた『“のだめカンタービレ”の音楽会』。10周年記念で初演を再現したプログラムは、指揮の茂木大輔さんが「いいとこ取り」と形容なさったように、物語の鍵となる曲ばかり。音楽をめぐるあれこれが、音に凝縮されてゆく漫画では、その曲が、どんな音なのだろうと、聴きたい気持ちがわき起こってくるのですが、それぞれのシーンを映像で見ながら音楽を堪能することができました。
最後のブラームス交響曲1番では、全国公募のアマチュア演奏家42人とオーボエの池田昭子さんやピアノの三輪郁さんもフルートで加わって、堂々の大編成。うらやましいほど楽しそうでした。
ただ一つ残念なのは、全曲でないものがあること。最初から聴きたい・続きを聴たいとモヤモヤしてしまいました。その点、今年予定されている第2弾・3弾では、全曲たっぷり聴ける上、オペラまで鑑賞できるそうなので、今からとても楽しみです。


【FORUM PRESSレポーター】おでかけ研修@宗次ホール


かすがい市民文化財団で、公演日にお客様をお迎えするボランティア「フロントスタッフ」のみなさん。
年に一度、日ごろの活動の刺激にと、春日井の外に出て他のホールを見学する「おでかけ研修」を行っています。
今年の研修では、2016年2月16日(火)に名古屋の栄にある「宗次ホール(むねつぐほーる)」に出かけ、人気公演「スイーツタイムコンサート」をみんなで体験!その後、ホールの見学もさせていただきました。
今回の「おでかけ研修」には、いつも公演レポートを書いてくださっているボランティア「レポーター」のお2人も同行。
お2人のレポートで、研修の様子をお伝えします!

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「宗次ホールへの『おでかけ研修』」 紀瑠美

かすがい市民文化財団のフロントスタッフが、毎年参加している「おでかけ研修」に、レポーターとして同行しました。
今年の行き先は、栄にある「宗次ホール」です。
今回の研修で見学した公演は「スイーツタイムコンサート」という宗次ホールの人気企画。午後から始まるコンサートと、近くのホテルのスイーツがセットになった面白い企画です。
当日の「スイーツタイムコンサート」は、オーレリアン・パスカルという20歳の男性によるチェロコンサートでした。若いながらも実力のあるチェリストで素晴らしい演奏でした。人気の秘密は、お手軽な価格で、こうした上質な音楽が楽しめることだと感じました。
コンサートの後はホテルのカフェへ移動し、コンサートとセットになっているスイーツセットを楽しみました。優雅な雰囲気の中、みんなで楽しくおしゃべりしました。「フロントスタッフ」は、かすがい市民文化財団が行う公演や展覧会で会場案内などを行うボランティア。そして、私が登録している「レポーター」は、公演を観てレポートするのが役割です。会場でフロントスタッフの姿はお見かけするけれど、お話しする機会はありませんでした。研修に同行することで、お互いのことを知ることができてよかったです。
ティータイムを楽しんだ後は、宗次ホールに戻って、ホール見学です。この日は研修の一環として宗次ホールの副支配人・西野さんに、舞台や床、客席の壁の特徴、椅子の工夫や音の響きの仕組みなどをわかりやすく説明していただきました。ちょうどピアノの調律をしていたので、調律師さんにピアノを見せてもらいながら説明を聴くことができました。
楽屋や調整室にも様々な工夫があり、大変興味深かったです。
スタッフの方のお話を伺っていて何より素晴らしいと感じたのは、宗次ホールで働くスタッフの方たちのホールへの愛です。みなさんとても熱心にホールのことを語ってくれました。2007年にオープンした宗次ホールでは、年を重ねるごとに国内外からのアーティストの間でも知られるようになり、アーティストから希望してくれることも増えてきたとのこと。まさしく「継続は力なり」です。
私も、レポーターとして、春日井のホールのことをもっと知り、その良さを発信していけたらなと思いました。

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「ゴージャスでリッチな『おでかけ研修』!!」 前島恭子

「おでかけ研修」は宗次ホール。無伴奏チェロコンサートにスイーツが合わさった「スイーツタイムコンサート」、さらに舞台裏見学と盛りだくさんでした。
スラリ長身で甘いマスクのオーレリアン・パスカルさんの演奏は、ダイナミックで繊細で、とにかく多彩。めくるめく演奏に圧倒されました。
コンサートとセットになった東急ホテルでのスイーツタイム。8種類もあるケーキはどれも上品で美味しそうで目移りしてしまいます。雰囲気もリッチでうっとり……。フロントスタッフの方々と話もはずみます。
そして、宗次ホールの舞台裏 ― このとき舞台では、ちょうどピアノの調律中でした。ホールのつくりや仕組み、楽屋、音響・照明などの説明だけのはずが、思いがけずピアノの説明までしていただけて、たくさんのことを教えていただきました。ホールの素晴らしさはもちろんですが、調律師の方の耳って特別なのですね。感動しました。
優雅で有意義な午後のひととき。とても楽しい時間をありがとうございます。また参加したいです♪