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0年0月の記事一覧
【FORUM PRESSレポーター】キーウ・クラシック・バレエ「白鳥の湖」全2幕
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年9月10日(土)に開催された
キーウ・クラシック・バレエ「白鳥の湖」全2幕をレポート!


Report458 【白と黒の調和の美】松葉栄子
子どもたちでも飽きない上演時間でのバレエ公演。「シンプルになっているのかな?」と思っていましたが見応えは十分。ダンサーの方が男性も女性もまるでお人形のようです。音楽と一緒にダンサーの顔、首、腕、足の角度の揃う様は瞬きを忘れます。有名な「4羽の白鳥たちの踊り」は、それがはっきり出る振付ですが、さすがの美しさ!道化の北口さんのしなやかで高いジャンプに拍手!白鳥(オデット)の優雅さ、黒鳥(オディール)の妖艶さを1人で演じ分ける長澤さんの高い技術にも感動しました。舞踏会のシーンは、色々な国のダンスが披露されるので私のお気に入り。装飾の美しい衣装も見どころのひとつでした。
会場を出ると、子供たちが看板の前でバレエのポーズで写真を撮ったり、歩道でクルクルと回転しながら移動するなど興奮冷めやらぬ様子でした。厳しい情勢の中でのバレエ公演ですが、私も子供たちと同じように夢の世界に浸りました。

Report459 【万感こめたバレエ上演に惜しみない拍手】奥村啓子
トウの舞いと華麗でありながら激しさもある動作で物語を語り尽くすバレエの魅力に陶酔した2時間。セリフは一切無く、音楽と舞踊の世界。観る者は舞台や演者をひたすら追い、ここは何処?何が悲しい?何を語りかけてるの?…と想像力を精一杯働かせて見入ります。すべての言葉をバレエで表現し、真に観客に伝えるのは至難の業。芸術は私たちの魂を高めてくれます。魅せられた観客は、惜しみなく熱い拍手を送っていました。最後の幕が下り始めると、演者たちの情熱と安堵が、何故か体中に迫ってきました。そこにも言葉は無いのに。
「白鳥の湖」は悲劇で終わる演出もありますが、キーウ・クラシック・バレエは善が悪に勝つエンディング。ロシアからの攻撃にキーウの劇場は防空壕と化し、いくつかは攻撃で破壊されたと聞きます。日本公演に向け幾多の苦労を背負いながら活動するスタッフや踊り手たちの祖国とバレエ芸術への一途な情熱が溢れる上演でした。
【FORUM PRESSレポーター】昼コン チェロの七変化で彩る晩夏の昼下がり
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年9月3日(土)に開催された
昼コン チェロの七変化で彩る晩夏の昼下がりをレポート!


Report456 【チェロの音色にみせられて】川島寿美枝
秋の気配にのって、コンサートの季節がやってきました。まだまだ残暑厳しい中、交流アトリウムに用意された椅子は満席。チェロの佐古健一さんとピアノの原田綾子さんの昼コンは、初めましてのご挨拶がわりにカサドの『親愛なる言葉』から始まりました。
お二人は地元春日井市の出身。そのせいか、初共演とは思えないほど息の合った演奏です。秋景色が美しい中欧の作曲家たちの曲を中心に「故郷」や「椰子の実」の日本の楽曲も加わり、郷愁に誘われるプログラムでした。ステージの片側に大型スクリーンが設けられ、後ろの席の人もお二人の演奏の様子を見ることができます。佐古さんのチェロは、低音は優雅に、高音は軽やかにアップテンポで演奏。チェロの音域の広さに驚きました。
私の前の席にいた十歳ぐらいの少女が、原田さんのピアノタッチをくい入るように見ていました。ご自身もピアノを習っているのかなと思いました。楽しい一時間はあっという間でした。

Report457 【チェロの祈りに触れて】宮川あけみ
今回、演奏するチェリスト佐古健一さんとピアニスト原田綾子さんは、共に春日井出身。柔らかい表情を見せていたお二人ですが、演奏が始まると一転。音ひとつひとつに反応して表情が変化していきました。チェロの独奏になじみがなく、演奏曲もほとんど知らないので、どんな曲なのか楽しみでした。印象的だったのは、佐古さんが好きな曲として挙げたカザルス作曲の「鳥の歌」。この曲は、名チェリストといわれたカザルスの思い入れの深い作品と紹介されました。「Peace」、平和の願いをいつも口にしていた方だったそうです。なぜ、「鳥の歌」が平和の曲なのか。気になったので調べてみました。背景にスペイン内戦があり、平和の祈りを故郷カタロニアの民謡に託したようです。思いがけず、チェロの巨匠といわれる方の「鳥の歌」を聴くことができました。また、演奏者の気持ちや想いも知ることができ、一曲一曲がより深く心に届いたように感じます。
【FORUM PRESSレポーター】令和4年度 松竹歌舞伎舞踊公演
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年7月13日(水)に開催された
令和4年度 松竹歌舞伎舞踊公演をレポート!

Report454 【芸術のアスリート】松葉栄子
待ってました!芝翫さんのご挨拶から始まった歌舞伎舞踊公演。コロナで舞台に立てなかった演じる側の様々な思いが伝わりました。その思いがこもった舞台、私たち観る側も大きな拍手で歓迎・感謝の気持ちを伝えられたと思います。「操り三番叟」では、操り人形と後見の見事な連携に目が釘付け。人形の指先が糸に合わせてピクリと動く、その繊細な動きにドキリとさせられます。個性的な化粧も魅力的。締めくくりの「連獅子」は歌舞伎ファンでなくともご存じの方も多い有名な演目。獅子が毛を回す動きは、見ているこちらもつられて頭を回しそうになるほど。想像を超える迫力と回す回数に圧倒され、歌舞伎役者はまさにアスリートだと驚嘆しました。歌舞伎舞踊を支え、盛り上げる長唄と和楽器の皆さんが黒い縦長のマスクをして壇上に座っている様子も凛々しく、鳥肌が立つほど素敵でした。衣裳の美しさ、演奏の巧みさにうっとりする時間を過ごさせていただきました。
Report455 【待ってました!夏の歌舞伎公演】紀瑠美
人気の歌舞伎が、3年ぶりに戻ってきました。今回の舞踊公演は、芝翫さんの『御挨拶』に始まり、『操り三番叟』『連獅子』と人気演目が続きます。巡業では、ご当地ネタも楽しみの一つ。御挨拶で「鳴物の住田長十郎さんは、妻が春日井出身。張り切って太鼓を演奏するので、お楽しみください」と聞き、驚きと期待に胸が高鳴ります。『操り三番叟』では、芝翫さんの長男・橋之助さん演じる「三番叟」が、糸に吊られて踊る人形そのもので、なんとも不思議。次男・福之助さん扮する「後見」と息がぴったり合い、まるで糸があるかのようで、見入ってしまいました。芝翫さん親子の『連獅子』は襲名披露時以来で、当時中学生で全国巡業に出演しなかった三男・歌之助さんが「仔獅子の精」を熱演。芝翫さんの貫禄ある舞と歌之助さんの若々しさに元気をもらいました。毛振りも見事で、鳴物も一段と激しく響きわたり、客席からは大きな拍手。地元で観る歌舞伎、最高でした。
【FORUM PRESSレポーター】『お勢、断行』
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年6月4日(土)、5日(日)に開催された
『お勢、断行』をレポート!
FORUM PRESSvol.107にもレポートを掲載しています。Report444はコチラからPDFでお読みいただけます。

撮影:細野晋司
Report449 【アドリブは舞台の醍醐味⁉】みと満寿美
まず、チラシに惹かれました。20個の正方形に区切られた紙面には、極彩色を背景に10人の俳優さんがちりばめられていて、こちらに迫る勢いがありました。テレビで見る俳優さんの顔があったことも魅力でした。
負の感情に支配された資産家の後妻が、自分をないがしろにする夫を精神病棟に入れて、財産を独占しようとするお話。寄付金目当ての政治家、悪徳精神科医、お金を無心する資産家の姉、悪事に手を貸す女中とその恋人。そして悪女「お勢」。その実、唯一の善人と思われた資産家の娘こそが、残酷なことをして後妻を追い詰めていたことが、最後に判明します。大正末期とか江戸川乱歩の持つ「これから世界はどうなってしまうのだろう」という不安定さと大きなエネルギーを感じる舞台でした。
そして、緊迫した舞台の途中、江口のりこさんが観客に向かって、「えへっ」と愛嬌をふりまくアドリブ。テレビや映画にないライヴの魅力はこれだ!と実感しました。
【FORUM PRESSレポーター】第92回 かすがい芸術劇場 月夜のファウスト
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年5月22日(日)に開催された
第92回 かすがい芸術劇場 月夜のファウストを4名がレポート!

Report450 【ファウストって何者?】川島寿美枝
舞台はテーブルと椅子、コート掛け、椅子に太鼓が一つ。いたってシンプルであります。
俳優、演出家、舞台美術家と多彩な才能を持つ串田和美さんの独り芝居『月夜のファウスト』。近所の居眠りおばあさんやら、紙芝居屋さんなど、串田さんの幼少期の記憶と、ファウスト博士の話がないまぜとなって芝居が始まります。中世に実在した錬金術師ファウスト博士の物語を一人多役で演じていきます。串田さんの飄々とした語り口に気持ちよくなり、時に意識がどこかへ飛んでいきそうになると、太鼓がドンと鳴って現実に引き戻されます。芝居が単調にならないよう、串田さんは太鼓以外にも呼び鈴を鳴らしたり、ハーモニカを吹いたりしてメリハリをつけます。終盤、舞台は暗くなり、串田さんはカンテラを手にして、ファウスト博士と魂を売り渡した悪魔を交互に演じます。二人(?)の会話は独り芝居とは思えないほどの迫力。サブタイトル通り、小さくて壮大な物語でした。
Report451 【人生、人間には結局何も分からない】奥村啓子
『ファウスト』は、「人間どもは神から与えられた理性をロクなことにしか使わず、努力しては迷ってばかり…」と言い張る悪魔と、常に正道を歩むファウスト博士が、「悪へ堕ちるか」「正道を守れるか」、“命”を賭けた契約を結ぶ物語。串田さん演じる博士は、コートに黒い帽子の粋とは言えない姿で登場するや、マイク無しでボソボソと話し始めます。場面は殺風景な書斎。飾り気がないだけに、想像力を掻き立てられ、どう展開するのかワクワクします。子供時代の記憶を紐解きながら、居眠りばあさん・野良犬・紙芝居屋などを次々と登場させ、呼び鈴の「チーン」を合図に話を転換。時折太鼓も打って、その響きで観客を刺激、緊張させ、飽きさせることがありません。悩む博士の人生を、愉快な人物や風物詩を織り交ぜながらたどる技は見事で、たった独りで演じ切る語りの魅力は、観劇後、より深く心に浸みました。
Report452 【空間想像の楽しさ】松葉栄子
コロナ禍で生まれた独り芝居は、タイトル通りゲーテでもおなじみの「ファウスト」が題材。開演前から舞台上は明るく、机、椅子、太鼓やハーモニカなどの小道具に興味津々。子供の頃の思い出を語るコート姿の串田さん。所作で記憶の中の人物の姿がそこにあるよう。もう芝居が始まっているの?と、ちょっと不思議な時間。薄っすらと物語を知っているだけの私は次々と出てくるファウスト、メフィストらの登場人物の個性に圧倒されていました。悪魔を選別、祓うファウストの決断力の早さと呪文が印象的。串田さんの紙芝居の記憶から生まれた「コロスケ」も不可欠な存在でした。子供のコロスケは高い声で元気よく喋ります。芝居の黒い雰囲気の中、コロスケの深く考えない言動に「くすっ」とさせられます。演じ分けは表情、動作もありますが、声の高低差は個々をよく表していると感じました。串田さんの演技で生み出される様々な背景や空間を想像でき、脳が活性化した舞台でした。
Report453 【制約の中から生まれた芝居】紀瑠美
串田さんは、“串田さん”のまま現われ、今回の芝居を作った経緯や子どもの頃の記憶を語り始めました。“今日だけの特別な話”を織り交ぜ、絶妙な間合いで笑いを誘います。テンポの良い語りに引き込まれていると、ある瞬間、「役に入った!」と感じました。くるくると演じ分け、ファウストの物語を展開していきます。中世の錬金術師ファウストは、串田さんが長年取り組んできた題材。フランスのサーカスとのコラボレーションや三人芝居など、さまざまに上演してきました。独り芝居バージョンは、コロナ禍で創作。芝居の中止が相次ぎ、もんもんと思考していた時、公園のあずまやで、ふと「ここで芝居をしてみよう」と思い立ちました。串田さんの個人史や空想を混ぜたオリジナルです。上演すると思わぬ反響があり、各地での公演に。舞台上の串田さんは本当に楽しそうで、喜びが伝わってきます。生き方まで教えてもらったような充足感に包まれました。
【FORUM PRESSレポーター】木村セツ「93歳セツの新聞ちぎり絵 原画展」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年4月28日(木)~5月22日(日)に開催された
木村セツ「93歳セツの新聞ちぎり絵原画展」を4名がレポート!

「会期中、8,843人ものお客様にご来場いただきました」
Report445 【卵かけご飯に魅了され】田本莞奈
チラシの「卵かけご飯」に一目惚れ!そして、裏面の「パック寿司」に魅了され、原画展に行くことにしました。文化フォーラム春日井に着くと、そのチラシを拡大したポスターが!それまで気付かなかった卵かけご飯の卵の白身を見つけ、本物そっくりな表現に感動しました。原画展を見る前から大興奮。ワクワクしながら会場に入ると、ハガキサイズのちぎり絵作品がずらりと並びます。A4サイズくらいの作品を想像していたので、この小ささで、こんなにも細かく作れるのかと、びっくりしました。涼しげで美しい「風鈴」、忠実に再現されている「ポテトチップス」など、どの作品も素敵でした。でも、やはり一番のお気に入りは「卵かけご飯」。照明もきれいに当たり、生で見る「卵かけご飯」は最高でした!会期中に制作された最新作「柏餅」も見ることができ、とても楽しかったです。入場者数過去最高記録を更新したセツさんの原画展、また春日井に来てほしいです。
Report446 【93歳の目力が生かすもの】宮川あけみ
新聞紙って地味。ちぎり絵になる色なんてあったかなと思いながら、会場に。展示されていたのは、想像を超える豊かな色彩をもつ作品でした。127点の原画はどれも、作者・木村セツさんが日常の中で目にする野菜や花、自分の好物を題材に制作したもの。新聞紙から色を選び出してちぎり、一つ一つ貼り付けていく作業は手間がかかると思います。しかし、ご本人は「夢中で時を忘れるほど」 と。この熱心さが私達に、より本物らしさを感じさせるのかもしれません。なかでも私が色遣いに惹かれたのは、同系色でまとめられた「ブロッコリー」と「うるめいわし」。どちらも緑と青色の濃淡やちぎり方で、質感が写実的に表現されていました。特に「ブロッコリー」はセツさん自身が「ようできたと思てます」とおっしゃる作品。こんもりとした一房一房に色の違う緑色を当てはめていました。題材と新聞紙をしっかり見て、作品に生かす。鋭い観察眼に脱帽です。
Report447 【ブロッコリーは山の緑】高塚康弘
卵かけご飯は黄身が盛りあがり、蓋を開けたパック寿司はまぐろが赤く光っています。90歳になって始めたちぎり絵作品は、とれたての野菜や魚のよう。鮮やかな色と形が躍っています。自信作のブロッコリーは山の写真を使ったとのこと。育てていたひよこ、喫茶店で出していたオムレツカレーに、孫と飾ったクリスマスツリー。毎朝の食パン「超熟」に、最新作の柏餅。あちこちに、もとの新聞の活字がのぞいて、まるで絵が何かひそひそ話をしているようでも、くすくすと笑っているようでもあります。セツさんが、毎日いろいろな物に話しかけ、いろいろな物の声を聴くファンタジーの主人公のように思えてきます。会場の所々に添えられたご本人の言葉も93年の歴史を語ります。まるで、木村家の茶の間で湯吞みを手に、セツさんの作業を拝見している気分になる展覧会でした。集中すると夜中まで創作されるそう。今晩は、どんな作品が生まれているでしょうか。
Report448 【感動!新聞紙がアートに!】阪井真佐子
「人生100年」時代に入ったとはいえ、90歳を過ぎて何かを始めようとするには相当のエネルギーを要します。それを見事にやり遂げてしまったセツさん。「93歳セツの新聞ちぎり絵原画展」は、エネルギッシュでありながら、五月の緑風にも似たフレッシュでハートフルな雰囲気に満ち溢れていました。
展示された原画は、どれも精巧で写実的でありながら、思わず微笑んでしまいたくなるお洒落なユーモアがいっぱい。じっと目を凝らすと、繊細な陰影が新聞の文字で表現されていたり、「チキンラーメン」が「“キチン”ラーメン」になるなど、実際の商品名と微妙に変えていたりするのです。どの作品も生活感に溢れ、セツさんが楽しんで作っている姿が目に浮かびます。懐かしくて、愛おしくなるのは、作品にセツさんの飾らない温かな人柄が滲み出ているからでしょう。「何かを始めるのに、遅すぎることはない」と教えてくれるセツさんは、まさに“人生の師”です。
【FORUM PRESSレポーター】第91回 かすがい芸術劇場 三遊亭兼好独演会
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年4月17日(日)に開催された
第91回 かすがい芸術劇場 三遊亭兼好独演会をレポート!

Report443 【みんなと一緒に笑える楽しさ!】松葉栄子
笑った!笑いました!三遊亭兼好さん、弟子の兼太郎さんのお噺に大いに笑わせてもらいました。
兼太郎さんは若々しく勢いのある語り口で、「おっさん」を題材に、「おばさん」で落とすマクラに感心しながら笑いました。本題の『堪忍袋』では、夫婦喧嘩の仲裁に自分も参加しているような気分に。笑いながら夫婦円満の勉強ができました。
そして、兼好さん。春日井市いじりでお客様をぐっと掴み、メリハリある話し方、表情でさらに全体がぐぐっと引き込まれているようでした。聞き終わってからも『壺算』(つぼざん)の登場人物の「いいの買ったね」の掛け声が頭の中をぐるぐる。自分の中で流行りそうです。『明烏』(あけがらず)での人物の演じ分けも小気味よく、あとから甘納豆が食べたくなる落語でした。スピード感あるお噺で、あっという間に時間が過ぎました。一人で観るのが勿体ない!と思うほどの楽しさ。あー!久しぶりにこんなに声出して笑ったわー!
【FORUM PRESSレポーター】反田恭平プロデュースJNOコンサート 2022ツアー
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年3月20日(日) に開催された
反田恭平プロデュースJNOコンサート 2022ツアーをレポート!
FORUM PRESSvol.106にもレポートを掲載しています。Report439はコチラからPDFでお読みいただけます。

Report441 【感動の音色、「弾き振り」に圧倒!】紀瑠美
反田恭平さんがショパン国際ピアノコンクール第2位に輝いたこともあり、チケットの抽選倍率は13倍!熱烈なファンも初心者も、大きな拍手で出演者を迎えました。ほほ笑みながら言葉を交わすメンバーもいて、和やかな雰囲気です。前半、指揮に専念した反田さんは、後半で「弾き振り」を披露。曲は同コンクールでも演奏した『ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調作品11』です。反田さんが指揮をしながら椅子に座り、ピアノを弾き始めると、素晴らしい音色が会場いっぱいに響きました。最後は反田さんが立ち上がり、オーケストラに向かって大きく腕を振り完奏。即座に盛大なスタンディングオベーションが起こりました。反田さんは「また愛知に戻ってくると思います」と応え、愛知で暮らした幼少期の思い出を話してくれました。アンコールは反田さんの独奏で『ショパン:英雄ポロネーズ』。演奏後は拍手が鳴り止みませんでした。
Report442 【時の人のオーラを浴びて】みと満寿美
ショパン・コンクールで2位を取って以来、反田恭平さんは超人気!ご多忙にも拘わらず、1年半前、コロナで中止になった時の約束を守って、「時の人」は春日井に来てくれたのでした。本当に素晴らしいコンサートでした。コンクールの本選で圧巻の演奏だったピアノ協奏曲第1番と、とても華やかなショパンの英雄ポロネーズ。生で聴く贅沢を堪能しました。本当に楽しそうな反田さんの指揮、演奏と同時に指揮をする弾き振り、昨年、ミュンヘン国際コンクール第1位の岡本さんのバイオリン協奏曲と弦楽八重奏、反田さんが演奏家たちの安定した活動を応援するために作った日本初の「株式会社のオーケストラ」JNOの若々しくて才能あふれる演奏…。どれをとっても、今日聴くことができたことを、将来きっと自慢できるだろうな、と思いながら聴いていました。サムライの髪型、まだ20代とは思えない落ち着きと風格。ますますの活躍が本当に楽しみです。
【FORUM PRESSレポーター】しかくいけしき 映像作家 重田佑介の ちいさくて おおきなアニメーションのせかい ひかりーピクセルーアニメーション
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2022年2月26日(土)~3月21日(月・祝)に開催された
しかくいけしき 映像作家 重田佑介の ちいさくて おおきなアニメーションのせかい ひかりーピクセルーアニメーションをレポート!

Report440 【個性あるしかくい動くものたち】松葉栄子
「おっ」。入ってすぐの『関ヶ原山水図屏風』を観て思わず声が。絵の中の小さな侍たちが戦い、走るその姿に、合戦場の音の効果もあって引き込まれました。次の展示も「わっ!」。モノクロ、夜の世界で月や星、踊る男女がくるくると移動する様を観て、時間を忘れます。投影しているシステムが、私には解説を読んでも分からなかったので、純粋に映像を楽むことに。続いて、海岸の風景のフォトフレームが8つ、さざ波の音が聞こえ、昼も夜も海に反射する光がきれいでした。広くなったコーナーでは、白い本を広げ、上からプロジェクターで映し出される物語を楽しみ、手の中で動くかわいいキャラクターに心躍りました。山水画は、ちょこちょこと動いている様子が愛らしかったです。ワークショップでは、自分で四角に色を打ちましたが、時間があっという間で、苦しいけど楽しい!ドット絵と聞いて、懐かしさを感じていましたが、自分には新しい世界、空間でした。
【FORUM PRESSレポーター】夜コン Special Concert「繋ぎ、奏でる~六弦の世界~」井草聖二
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2021年11月26日(金)に開催された
夜コン Special Concert「繋ぎ、奏でる~六弦の世界~」井草聖二をレポート!

Report437 【六弦の調べに魅せられて】川島寿美枝
春日井では今年で7度目の開催。夜のコンサートの前に、あすなろ教室や南城中学校で精力的に演奏されてきたギタリストの井草聖二さん。秋の終わり、華やかなXmasシーズンの入口ともいえる季節。コンサートは、そんな季節感を盛り込んだ内容でした。
舞台はシンプルながら、色とりどりのライトとスモークが幻想的な演出。私の好きな映画音楽メドレーや『ルパン三世のテーマ’80』が心に残りました。アコースティックギターといえば、“伴奏”の印象ですが、井草さんは一本のギターで、ベース、リズム、伴奏、そしてメロディと、一人4役こなしてしまうのです。井草さんの右手ってどんな動きをしているの?と、思わず食い入るように見てしまいました。途中、ギタリストのプライドと戦いながらもルーパーという機器を使って、その場で演奏したリズムを録音し、それに合わせて演奏するという新しい挑戦も披露して頂きました。寒さが身にしみる夜の暖かなコンサートでした。
Report438 【技巧が生み出す幻想の夜】松葉栄子
ギタリスト・井草聖二さんの夜コンへ行きました。私は初の夜コンだったので、余裕をみて早めに会場へ到着。すでに受付に並んでいるお客さんが、何名かいらっしゃいました。井草さんが7回目の春日井公演と知り、夜コンファンだけではなく、井草さんを待ち望んでいた方が多いのだと納得。舞台に準備された椅子やマイク、多くないそれらの機材に、「自分の技術」を魅せるのだと期待が高まります。
曲に寄り添うようなスモークと照明が幻想的で美しい舞台を演出。ギターだけで伴奏、主旋律、異なる音の表現を、具体的に重ねていきながらの説明は、音の深みが理解できた気分になり、とても心地よく、耳から体に染み込むようでした。音を繰り返し再生する機器のルーパーを利用しての演奏は、井草さんの確かな技術があればこそ!私のお気に入り、『ルパン三世のテーマ’80』『September』は心が躍りました!客席参加の演奏もあり、期待以上の夜コン初体験となりました。