財団スタッフDIARY
0年0月の記事一覧
【FORUM PRESSレポーター】日ペンの美子ちゃん原画展
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2019年5月1日(水)~19日(日)に開催された、【日ペンの美子ちゃん原画展】をレポート!

Report report366【日ペンの美子ちゃん、進化!】 紀瑠美
「日ペンの美子ちゃん」は、ボールペン習字講座の広告漫画です。今回は、広告原稿など267点を展示する珍しい企画。美子ちゃんが登場した1972年は、手書き原稿に印字した台詞が糊付けされていましたが、現代はパソコンで作成しSNSで発表。「令和」をネタにした漫画もすぐにアップされ、制作方法に技術の進歩を感じます。6人の作家に描き継がれてきた美子ちゃんは、社会の変化に合わせ、キャラクターやターゲット層を変えながら、ユーモアたっぷりにボールペン習字の良さをアピール。椙山女学園大学文化情報学部の木田勇輔准教授によるギャラリー・トークでは、美子ちゃんを見ながら、女性の社会進出や手書き文字のあり方の変化を社会学の視点で読み解き、面白かったです。
水書道コーナーや、市のキャラクター「道風くん」と美子ちゃんのコラボレーション商品の販売など、「書のまち春日井」ならではの企画も充実。美しい文字が書きたくなる展覧会でした。
Report367【長年続いている漫画の原画展とは】 たもとかんな(小学生レポーター)
昭和47年~59年までの1代目から、今の6代目まで続いてる「日ペンの美子ちゃん」。
これは、ボールペン習字の広告漫画で、手書き文字の大切さを伝えてきました。
「日ペンの美子ちゃん原画展」では、1代目から6代目までの原画がずらり。みごたえ、読みごたえのある作品でした。ストーリーは、その時に流行っていたものや注目されていたもの+(プラス)日ペンの宣伝、という感じ。なので、時代によっての変化も見ている人に伝わりました。そして、展覧会の期間中には、社会学者でもある、木田勇輔先生(椙山女学園大学文化情報学部准教授)によるギャラリー・トークも行われました。木田先生は社会学者なので、時代についての変化や感じられることなどを約1時間、漫画をみながらおはなししてくださいました。
他にも、展覧会に合わせたきかくが、もりだくさん。春日井市は、「書のまち春日井」なので、水書道もありました。とても楽しかったです。

【FORUM PRESSレポーター】入船亭扇辰独演会
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2019年4月21日(日)に開催された、【入船亭扇辰独演会】をレポート!
FORUM PRESSvol.92にもレポートを掲載しています。Report363はコチラからPDFでお読みいただけます。

入船亭扇辰
Report364【生で見る落語の魅力】 今井明日香
春日井初となる入船亭扇辰さんによる落語公演。会場は満員、早く始まらないものかとみんなそわそわしている様子でした。入船亭小辰さんの「真田小僧」に始まり、扇辰さんの「紫檀楼古木」、そして仲入りを挟み「百川」と、2時間があっという間に過ぎていきました。
楽しかった〜。大きな拍手の中で幕が閉じ、座ったまま余韻に浸って思いました。実は私、生の落語は初めてでした。落語初心者の私が知っておくべきことはあるかと、前日の夜はあれやこれやとネットで調べていたり。ですが心配も杞憂に終わり、落語を思う存分楽しめました!
とくに印象的だったのが、登場人物たちの演じ分けです。声と仕草だけで一人一人の個性を出しながら演じられていて、本当に目の前で本人たちが会話をしているようでした。
落語って難しそう、そんなイメージを持っている人も多いかと思います。でも全然そんなことはありません!ぜひ落語を観て、聴いて、思いっきり笑ってみてください。

入船亭小辰
【FORUM PRESSレポーター】「輝けるダンス講座」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2019年2月19日(火)に開催された、
【輝けるダンス講座】を、2人がレポート!

Report360【心はじける、ダンスはたのし!】 林佳枝
2017年のイギリス映画『輝ける人生』は、人生の収穫時期に大きな挫折を体験して道に迷った女性が、ダンスとそれを取り巻く人たちによって輝きを取り戻すお話です。そしてこの度「かすがい日曜シネマ」でこの映画を鑑賞した人のために派生した特別な講座が開かれました。その名も「輝けるダンス講座」です!
講師は振付家・服部哲郎さん。参加応募者は映画のごとく中高年の女性が約20名。ディスコ全盛期だった1980年代のファンキーな音楽と、ノリノリのメドレーに素敵な振付け。わかりやすく丁寧な指導で会場内は次第に笑顔がこぼれ、ステップも軽やかになっていきました。最後はフレディー・マーキュリーの決めポーズで皆片腕を高く掲げて決まり!こういうのもときにはいいですね~。終了時、即、参加者から「次はいつですか!?」の声がかかるほど、身も心も「輝いたひととき」でした。

Report361【映画に感動して、ダンス講座】 紀瑠美
「輝けるダンス講座」みんな輝いていました。かすがい日曜シネマで今年の1月に上映された映画「輝ける人生」からうまれた講座です。映画に感動した40代~80代(最年長は84歳!)の23名が、「てっちゃん」の面白く情熱的な指導で1時間半、楽しく踊りきりました。
「てっちゃん」こと服部哲郎氏は、振付家でダンサー。映画をイメージし、参加者に合わせた振りを考えてきてくれました。上手に踊ることではなく、楽しく踊ることが大事とてっちゃん。「あきらめないよ!」と励ましたり、「いい感じ」「上手」と褒めたりしながら盛り上げます。ダンス初心者も経験者も、みんなで気持ちよく踊れました。「一緒にできて楽しかったから、踊れたんだね」と喜ぶ参加者たち。「次回はいつですか?」と講座継続のリクエストもありました。
日曜シネマの派生講座は今回が初めて。同じ映画で感動した者同士だから、より盛り上がれたのかも。今後、どんな講座が企画されるか楽しみです。
【FORUM PRESSレポーター】「演劇×自分史 旅旅(ふたたび)」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2019年2月10日(日)に開催された、
【演劇×自分史 旅旅(ふたたび)】を、2人がレポート!
FORUM PRESSvol.91にもレポートを掲載しています。Report357はコチラからPDFでお読みいただけます。

Report358【色とりどりの人生】 ますだけいこ
自分史とコラボした創作演劇「旅旅(ふたたび)」を鑑賞しました。ホールの中央にステージがあり、三方を観客席が囲んでいました。あでやかな衣装の出演者たちが、席の案内をしている一方で、ラジオ局のスタジオを模したブースでDJが語り始め、三線の生演奏もあって、開演前なのに不思議な感じです。出演した19人の市民参加者の人生のエピソードを元に演出家の有門正太郎さんが書き下ろした脚本には、最初、台詞がほとんどなかったそうです。そこから、参加者同士のいろいろなやりとりを経て、個人の経験を全体のものとして完成させたということでした。ちりばめられたエピソードはさまざまで、笑いもあれば、涙もあり、痛みや苦さをちくりと呼び起こすものもありました。演技者といっしょにその思いを味わいながら、「でも、生きていること・人生って悪くないよね。みんないろんな思いを抱えて、ここまで来たんだよね。」と、いとおしさがわいてきたのでした。


Report359【個性輝くみんなの物語】 山田真穂
会場に入った瞬間から、旅旅ワールド全開。小学校の修学旅行当日、生徒のみどりちゃんが来なくて皆で探しに行くという物語で、その中に何人かの人生がピックアップされ映し出されていました。飛行機を見るのが好きなおじさん、勝川の母、お遍路のおばあさんなど、皆の思いや生き方が様々だと感じました。その中で、「人生は、召されるまでの暇つぶし」や「今日はこんな日」というひとことが心に残りました。最後にキャストが1人ずつそれぞれの大事なものを客席に伝えにいく演出がとても感動的で、「皆さんの大事なものを教えてください」という締めくくりに思わず涙が。
70分とは思えないほど盛り沢山で、笑いあり涙ありの豪華な作品でした。キャストは老若男女で衣装もドレスや民族衣装、宇宙人など個性豊か。そして何よりもキャストの皆さんが生き生きと輝いていました。来年は春日井市民会館で上演ということで、ますますパワーアップした「演劇×自分史」に期待しています。
【FORUM PRESSレポーター】「いのまたむつみ展」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2019年2月9日(土)~3月10日(日)に開催された、
【いのまたむつみ展】を、4人がレポート!

Report353【眼の表情が素晴らしいキャラクター】 和田卓夫
小説やゲームのイラストの分野で活躍する、いのまたむつみさんの原画展をのぞいてみました。会場いっぱいに広がる、小説『宇宙皇子』やアニメ『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』、ゲーム『テイルズ オブ』シリーズなど、約200点の原画。画業40年の成果がところ狭しと舞い上がってみえました。
線の美しさ、色の鮮やかさは当然ながら、眼の表情の輝きの素晴らしいこと。正面からみても、横からみても、何かを語りかけているようです。何を話しているのかな?と考えるだけでもひと時の創造が広がって行く楽しさを感じます。『宇宙皇子』の挿絵など、皇子が乗り移って来る錯覚に陥ります。
そして、衣服の綺麗なこと、色の濃淡が立体感を醸し出し、包み込んでくれるようでした。
「継続は力なり」といいますが、40年の歳月は、日進月歩の連続のようです。初期の作品には将来を展望するような力が感じられます。
Report354【いのまたさん、素敵を、永遠に!】 マエジマキョウコ
大きな瞳に優しい曲線。いのまたむつみさんのイラストは、少女漫画のように見えるのに弱々しくなくかっこよく、凛とした強さを感じさせます。それが、年齢や男女を越えて人気がある秘密かもしれません。いのまたさんが描いたとは知らずに見ていたものがたくさんあり、『宇宙皇子』や『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』、RPGの『テイルズ オブ』シリーズなど、大ヒットして、しかも長期にわたっている作品が多いことにも驚きました。
高校の時、アルバイトでアニメに関わったことでアニメーターになり、イラストレーターになったという、いのまたさん。ほんとうに絵を描くことがお好きなのでしょう。200点ほどもある原画の一枚一枚に作品への、そしてキャラクターへの愛がこめられているように思いました。
印刷と違って原画では、作者の筆の運びや息遣いまでが感じられます。見ごたえのある展覧会でした! いのまたさん、これからも素敵なキャラを待っていますね!
Report355【美しき幻想の世界へ誘われて】 川島寿美枝
会場に入り、展示品を見て久しぶりという感じが最初の印象です。実は30年以上も前、古代ファンタジー『宇宙皇子』を読んでいたからです。美しい表紙に魅かれて読み始めました。小説はもちろん面白かったのですが、いのまたむつみ先生の挿絵で小説の世界が広がり、面白さが倍増しました。
今回東海地方初の大規模原画展で、宇宙皇子のほか、ゲーム『テイルズ オブ』シリーズや小説『ドラゴンクエスト』など約200点の原画や原画が収められた書籍などが展示され、見応えたっぷりです。沢山の原画を見て、当時気づかなかった宇宙皇子の幼年から少年へと変わっていく過程を原画から感じ取りました。いのまた先生が描く少年少女はアニメのように瞳が大きく美しい顔立です。でも髪の質感や流れ、肌の色、衣服、まわりに描かれる花がとてもリアルなのです。あどけない少女のセクシーな体つき、少年の逞しい腕にドキッとしてしまいました。先生の作品を知らない方でも、原画ならではの色づかいや美しさを楽しめる展覧会と思いました。
Report356【再会】 宮川あけみ
「いのまたむつみ」―今回の原画展のポスターを見るまで、すっかり忘れていました。小説『宇宙皇子』の挿絵で知ってから、どのくらいの時間が過ぎていたのか、いのまたさんの画業40年という長さに驚きでいっぱいです。そして、会場には私と同じように『宇宙皇子』の原画をジッと見つめる方が多く、その姿は当時を思い返しているようでした。作品の中の宇宙皇子は初め少年でした。それが物語が進むにつれ、少年から青年、そして壮年へと大人になっていく姿に、作品も成長すると実感しました。いのまたさんはインタビューの中で、「長く愛してもらえるのは、描き手冥利に尽きます。」と話しています。描かれた作品すべてが、見る側の心をつかみ引き付けてやまない魅力にあふれているのだと思います。繊細なタッチ、濃淡のある豊かな色彩、ぼかしやにじみのある自筆ならではの良さがあります。いのまたむつみさんの世界を再訪した貴重な時間でした。
【FORUM PRESSレポーター】「第4回ワンコインコンサート『Shiki’s Friends』」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2019年1月26日(土)に開催された、
【第4回ワンコインコンサート「Shiki’s Friends」】を、2人がレポート!
FORUM PRESSvol.91にもレポートを掲載しています。Report350はコチラからPDFでお読みいただけます。

Report351【子どもと楽しむコンサート】 紀瑠美
0才からのコンサートは満席。お父さんの参加率の高さに驚きました。10時半からの90分間、子どもたちをあきさせない作戦とは・・・。
「Shiki’s Friends」は、マリンバの詩貴さんを中心に、ピアノの太田紗耶香さん、パーカッションの鈴木豊大さんのトリオ。かすがい市民文化財団「若手音楽家支援事業」第1期生に選ばれ活躍中です。
0才と3才の子がいる詩貴さんが「たくさん音で遊びましょうね!」と呼びかけスタート。演奏に合わせ手拍子したり、歌ったりしました。楽器クイズでは、面白い楽器の音あてで遊びました。幼稚園で働いている、3人の友だちのさっこちゃんも登場し、手遊び歌も楽しみました。
休憩後は演奏付きスクリーン紙芝居でみんなの興味をひきつけます。みんなでペットボトルシェーカーを演奏したり、曲に合わせて行進したり。メンバーの声がけと、いろいろな種類の遊びに、大人も子どもも夢中。みんなでわくわく、一生懸命に遊びました。
Report352【気軽に楽しめるコンサート】 田本莞奈
文化フォーラム春日井で、ワンコインコンサートが開かれ、たくさんの親子がおとずれていました。
「Shiki’s Friends」の3人による、マリンバ、ピアノ、パーカッションの約90分間の演奏。自己紹介や楽器の紹介などもありました。0さいから入場できるということで、手遊びメドレーやアニメ・メドレー、『幸せなら手を叩こう』、『となりのトトロ・メドレー』などを演奏されていました。また、『たんばりんじゃじゃん』という、スクリーン紙芝居と生演奏や、『ガーナイア』という曲では、観客が、ペットボトルシェーカーを使って、音を出して、楽しむことができました。コンサートが終了したら、マリンバとパーカッションの体験もできました。
マリンバ、ピアノ、パーカッションの音色だけでなく、ペットボトルシェーカーを使って音を出すなど、観客も参加できるコンサートだったので、楽しむことができました。
【FORUM PRESSレポーター】「あの時決まった写真展」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2018年12月14日(金)~24日(月)に開催された、
【あの時決まった写真展】を、2人がレポート!
FORUM PRESSvol.90にもレポートを掲載しています。Report347はコチラからPDFでお読みいただけます。

Report348【工夫いっぱい写真展】 田本莞奈
文化フォーラム春日井のギャラリーで「あの時決まった写真展」が開かれました。
“あの時”とは、2018年5月に文化フォーラム春日井で開催された「西本喜美子写真展」のトークショーの時のこと。西本喜美子さんのご長男、西本和民さんが、ここに集まった方々と写真展をしたい、というようなことを言ったことが、この「あの時決まった写真展」が開かれるきっかけになったそうです。今回は、市民の方々や、喜美子さん、和民さんの、いろいろと工夫された作品が展示されていました。入場無料で、気軽に楽しめるような写真展になっていました。動物の写真であったり、身近にありそうな物の写真であったり。それが面白い、すごい、きれいといったような感じになっていました。
身近な物も、少し撮り方を変えたり、工夫して撮ったりすると、面白い写真も撮れるのかなと思います。私も、そのようにして、写真を撮ってみたいです。楽しかったです。
Report349【思いあふれる写真展】 紀瑠美
会場には、A3サイズの写真がずらり。年齢も、写真歴も、職業も、好みも様々な人たちが、自由な発想で撮影した作品です。コンクリートの割れ目に色鮮やかな落ち葉を並べて撮影した作品、大好きなペットを撮影した作品など77点が、たくさんの来場者を楽しませていました。
写真展開催が決定したのは5月。自撮り写真で有名な西本喜美子さん(90歳)のトークイベントで和民さん(長男で写真の先生)が、ここに集まったみんなで写真展をやりましょう!と提案。財団スタッフさんは、突然のことにびっくりしていましたが、和民さんの熱意で開催決定。参加費は写真プリント代と枠代のみ。写真初心者でも気軽に参加できる内容で、48人が出品。私も春日井のハニワ祭りの写真などを出品しました。展示作業は、和民さんと一緒にできるとあって出品者が集まり、和気あいあいと行いました。会期中の受付係も出品者で分担。皆で作り上げた写真展、楽しかったです。
【FORUM PRESSレポーター】「こまつ座『母と暮せば』」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2018年12月1日(土)に開催された、
【こまつ座「母と暮せば」】を、5人がレポート!
FORUM PRESSvol.90にもレポートを掲載しています。Report341はコチラからPDFでお読みいただけます。

劇場:紀伊國屋ホール 撮影:宮川舞子 提供:こまつ座
Report342【戦争とは、生きるとは】 紀瑠美
「すごかった!すごく良かった。松下さんの演技も、迫力あって、すごく良かった!」終演後、興奮気味に話す人がいる一方、神妙な表情で「すぐには言葉にできない」と口を閉ざす人もいました。
東部市民センターで上演された二人芝居の「こまつ座『母と暮せば』」は、チケット完売。山田洋次監督の名作映画の待望の初舞台化。映画で吉永小百合さんの演じた母役を富田靖子さん、二宮和也さんの演じた息子役を松下洸平さんが演じました。母は生きている罪悪感に苦しみ、幸せになってはいけないと自分をいさめ、死んでいる息子は生きている母の幸せをひたすらに訴えていました。悲惨な戦争体験が語られていく中で、親子の愛情や人を思いやる気持ちに心があたたかくなったり、思わず笑ってしまうシーンがあったりと深い物語になっています。
終演すると、盛大な拍手が客席からわき起こりました。3回のカーテンコールに、2人は、丁寧に、チャーミングに、感動的にこたえてくれました。
Report343【母に生きる力を授けた亡き息子の愛】 阪井真佐子
台所と居間が繋がった薄暗い家の中に、富田靖子扮する母がいます。独り住まいの母のもとに松下洸平扮する亡き息子の幽霊が現れます。助産婦を辞めた母の心情を計りかねた息子は、長崎原爆投下の犠牲者の一人でした。この物語は、井上ひさしの構想を受け継ぎ、こまつ座によって「戦後“命”の三部作」の一作として舞台化されたもの。医科大学に通っていた息子には許嫁の娘がいたが、彼の死後、彼女は別の人と結婚せざるを得ない、そんな世の中でした。息子を失った喪失感に加え、娘のように可愛がっていた許嫁にも去られた母は生きる気力を失い、ついには死にたいと言い出します。そんな母に、生きる力を与えて去っていく息子。富田靖子と松下洸平の迫真の演技に思わず涙腺も緩みます。二人芝居ならではの緊迫感。圧倒される台詞の長さ。戦争の悲惨さとそこから立ち上がって生きる者の強さ。母子の間に流れる普遍の愛。それらが凝縮された感動のお芝居でした。
Report344【尊い一日】 マエジマキョウコ
舞台は長崎。医大生の息子、浩二を原爆で失って、失意の底で暮している元助産婦の伸子は、毎日、陰膳を据えています。そして、原爆投下から3年後の1948年8月9日の朝、陰膳を供えたところに、ひょっこり浩二の幽霊が現れるのです。
母子は久しぶりにお喋りをします。たわいない「お母さんの三角形のおにぎり」から始まって、伸子が助産婦をやめている理由や浩二の死の瞬間などの重い話が紡がれます。
アメリカの医師が、被爆者の患者や、胎内で原爆の影響を受けた子どもを「明るい未来の医療のために」と称して、報奨金を与えて集めるのが嫌で、助産婦を断念した伸子の思いは痛いほど胸にしみます。
夕暮れ、消え際に、浩二は言います。「僕は、(助産婦の)七つ道具を点検するお母さんが好きだったよ」。その言葉で伸子は助産婦を再開する決意をして、七つ道具の点検を始めます。
生きるという意味を考えさせられました。また見たいと思うお芝居でした。
Report345【僕のために!僕の代わりに!】 こじまみつこ
井上ひさしの遺志を受け継ぐ長崎の被爆者の物語『母と暮せば』が、富田靖子の母親と松下洸平の息子の二人芝居で上演されました。
原爆投下から3年たった日、生きる力をなくした母親のもとに息子の幽霊が現れます。戸惑いながらもうれしさを隠せない母親。二人の生き生きとした会話が窓から差し込む夕日と共に、穏やかだった日常を垣間見せてくれます。
そして、原爆が投下された日。真っ赤に揺らめく炎で燃える街を窓が映します。いたたまれない思いになりました。
「一緒に連れていって」と頼む母親に、息子は叫びます。
「僕のために!僕の代わりに生きてほしい!」息子の悲痛な願いに母親は、原爆投下前まで続けていた仕事、命を生み出す助産師の仕事道具を再び取り出します。それを見て、静かに消えていく息子。二人の思いのこもった演技が、物語の命を受け渡したようでした。観客の涙も同じ思いをつなぎます。命をつなぐ思いが人々に届くよう、このお芝居が各地で上演されることを期待します。
Report346【ナガサキを舞台にした戦争の話】 田本莞奈
私は、春日井市東部市民センターで開催された「母と暮せば」をみに行きました。
まず、会場に行くと、舞台には、「母と暮せば」とかかれた、垂れ幕がおりていました。この「母と暮せば」は、戦争のお話で、ナガサキを舞台に作られています。生きている母役と、幽霊の息子役の2人が演じていました。着物姿の母がいて、そして、洋服を着た幽霊の息子がでてきて、物語が進んでいきます。「母と暮せば」は、「父と暮せば」「木の上の軍隊」に続く、作品だそうです。
母は、生きているのに、息子は、幽霊。なのに、会話をしたりしているという、少し不思議な感じだと思いました。また、私は、戦争がこわいと思いました。いつ、何がおきるか分からないし、つらく、不安で、悲しいなど、いろいろいやな思いをしたと思います。戦争は、もう、おきてほしくないです。
【FORUM PRESSレポーター】「柳家小三治独演会」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2018年10月13日(土)に開催された、
【柳家小三治独演会】をレポート!
FORUM PRESSvol.89にもレポートを掲載しています。Report339はコチラからPDFでお読みいただけます。

Report340【お先もお後もよろしいようで】 川島寿美枝
落語の名人柳家小三治師匠の独演会とあって、会場は満席。手にしたプログラムは、柳家三之助さんのお噺に始まり、仲入りを挟んで小三治師匠の二席の落語とあるだけで題名がありません。その日の天候や観客の様子を見て、演し物が決まるとか。
小三治師匠はマクラの名人とも言われ、今回も子どもの頃の趣味の話から始まりました。釣りの話かと思うと、切手収集の話になったり、行ったり来たり。え~、どこまで話しましたかね…(間)…客席(笑)。釣りの話からいつの間にか本題に入って、長屋の八五郎が隣の浪人の与太話を信じて、釣りをしながら妄想にふける滑稽さ。二題目では、お馴染み長屋の八つぁん、熊さんのばかばかしいほどの粗惣ぶりに笑わされる。小三治師匠の淡々とした口調が本題に入ると艶のある声で魅きこまれるような語り口になります。観客は名人芸の余韻に浸りながら、出口で今日の演し物が『野ざらし』と『粗忽長屋』と解るのです。
人間国宝 柳家小三治師匠の至高の話芸を堪能しました。
【FORUM PRESSレポーター】「伝統芸能の魅力発見!~にっぽんの楽器・弾き物編~」
「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。
今回は、2018年9月29日(土)に開催された、
【伝統芸能の魅力発見!~にっぽんの楽器・弾き物編~】を、6人がレポート!
FORUM PRESSvol.89にもレポートを掲載しています。Report332はコチラからPDFでお読みいただけます。

Report333【日本の弦楽器にとことん浸れる2時間】 山田真穂
女優の南野陽子さんと元アナウンサーの葛西聖司さんという豪華な司会で行われた「伝統芸能の魅力発見!」。第1弾の今回は、にっぽんの楽器「弾き物」をテーマに様々な楽器の演奏が繰り広げられました。前半は箏と琵琶、後半は名古屋友禅と有松絞の着物の紹介、春日井の民話朗読、胡弓、三味線、そして最後は長唄で締めくくられました。トークや演出も素晴らしく、盛りだくさんのプログラムでした。特に私の印象に残ったのが箏と三味線です。箏は一般的に使われる十三弦だけでなく、二十五弦のものも披露され、バッハの『無伴奏チェロ組曲』を聴くことができました。和の楽器で西洋楽曲を演奏する独特なスタイルが、原曲とはまた違った感じで新鮮でした。三味線は大きな切れの良い音が会場に響き渡り、とても迫力があり細かい動きを弾きこなしていてかっこ良かったです。
日本の弦楽器に触れる機会は普段あまりないですが、今回の公演でとても興味を惹かれました。第2弾も期待しています。

Report334【聴覚・視覚共に大満足!】 與後玲子
「伝統芸能の魅力発見!」シリーズ第1弾は、日本の楽器の「弾き物編」でした。どの奏者も若くエネルギッシュで“伝統+新しい試み”のチャレンジが感じられました。例えば箏は十三弦が一般的ですが、西洋楽曲の七音階を奏でることができる二十五弦で、バッハの『無伴奏チェロ組曲第一番~プレリュード~』。胡弓はなんとピアノとのセッションで、木場大輔さん作曲の『焔』を演奏。
最も刺激的だったのは薩摩琵琶の平家物語の『扇の的』でした。弦を撥で弾いたり、叩いたり、引っ掛けたり、撫で付けたりとても激しい演奏でした。奏者の長須与佳さんは小柄にも関わらず語りが力強く、私は金縛りにあったように微動だにせず聴き入りました。また、司会の南野陽子さんによる豪華な名古屋友禅と有松絞りの振袖の紹介があり、刺激的な音楽に興奮した聴覚の神経が、美しい着物による視覚で癒やされました。さらに春日井縁の民話『十五の森』の朗読には思わず涙でした。
Report335【伝統芸能をうつくしむ】 こじまみつこ
かすがい市民文化財団プロデュース『伝統芸能の魅力発見!』は箏の演奏から始まりました。二十五弦の箏を身を乗り出して弾き、『春の海』は尺八と箏が寄り添うように競い合うように波を奏でました。薩摩琵琶は平家物語より『扇の的』。射手の那須与一が「的を外しては生きてゆけない」と心乱れ、荒れる波に「しずまれ」と祈る。ざわつく心を撥でかき鳴らし、矢の飛ぶ音は撥を弾き絞る。与一の心を琵琶と語りで切々と歌い上げる姿は、鬼気迫るものがありました。どこからか胡弓の音が流れ、そしてその音色は、一瞬にして越中おわらの世界へ。ピアノと共演『こきりこ節』は、五箇山の里が偲ばれます。津軽三味線は勇壮な弾きで、長唄とお囃子の『鏡獅子』は華麗な舞で舞台を飾りました。
司会の葛西さんと南野さんの楽しい解説。南野さんの春日井の民話の朗読。盛りだくさんの内容に瞬く間に時間が過ぎていきました。今回の奏者は皆さん30歳前後とか。これからの日本の伝統芸能が期待されます。

Report336【温故知新へのいざない】中林由紀江
秋の気配がやっと訪れたた9月の終わりに、「日本の音楽のヒミツ」を探しに春日井市民会館へでかけました。日本古来の楽器は基本的に全て自然素材でできているので、生き物と言っても過言ではないとのことです。その楽器を演奏するのは30歳前後の若者たち。箏は本来は十三弦ですが、二十五弦のもので奏でられた曲はバッハ。和装柄のドレスで演奏された和洋折衷の妙に驚きました。圧巻だったのは薩摩琵琶の語りと演奏。最初の一音で、平家物語の世界へと聴衆は引き込まれました。初めて聴いた琵琶の音の迫力と奏者1人で物語を深く語る素晴らしさに感動しました。司会の南野陽子さんが「有松絞りと名古屋友禅」を紹介されたご当地着物コーナーでは、それぞれの着物をお召しのモデルの艶やかさに目をひかれました。この「伝統芸能の魅力発見シリーズ」はこれからも続くとのことですので、次回がとても楽しみです。平成生まれの若者にも是非聴いてもらいたいです。
Report337【ギュッと凝縮。和楽器の魅力】 紀瑠美
葛西聖司さんと南野陽子さんの司会で、箏、琵琶、胡弓、三味線の若手実力派が順に披露。
箏の内藤美和さんは一般的な十三弦の箏と27年前に作られた二十五弦の箏を紹介。葛西さんが、箏を弾いているハニワがあると言うと、孝謙天皇を演じた時に箏の演奏を聴くシーンがあったと南野さん。引き出しの多い2人ならではのトークで、楽器や奏者の魅力を引き出していきます。
2部の幕開けには愛知の着物が飾られ、客席からは「わぁー」と感歎の声。南野さんの着物姿も美しかったです。南野さんの春日井の民話朗読も素晴らしく、お囃子の演奏も効果的でした。
胡弓は三弦と奏者の木場大輔さんが作った四弦を披露、ピアノとシンセサイザーを融合させたオリジナル曲には客席から大きな拍手。春日井広報大使の馬場淳史さんの津軽三味線と、芳村伊十冶郎さんの長唄三味線の比較も興味深かったです。最後は長唄とお囃子の演奏で、日本舞踊『鏡獅子』。トークも演奏も聴きどころ満載でした。

Report338【ビバ! 日本伝統芸能!】マエジマキョウコ
「気づき」がいっぱいありました!もともと十三弦の箏が、最近は二十五弦などの多弦箏があること、薩摩琵琶はことに力強い演奏と語りが特徴であること、胡弓は日本でただひとつの弓で弦を擦る楽器であること、津軽三味線と長唄三味線の違いetc……。和楽器のことなのに知らないことが多くて驚きました。曲も『春の海』『こきりこ節』のような昔からのものだけでなく、J.S.バッハの『無伴奏チェロ組曲第1番~プレリュード~』や若手演奏家のオリジナル曲『焔(ほむら)』など多様性がひろがっているのですね。感動しました。
南野陽子さんが紹介する有松絞りや名古屋友禅の着物も素晴らしかった!和服って身近にあっても、ホント、素敵さに気付かないものなのですね。
いままではなんとなくハードルが高くてじっくりと聴く機会がない邦楽でしたが、このコンサートでその魅力にふれることができました。今回は「にっぽんの楽器・弾き物編」。続編が楽しみです。